「キョン」とネーミングと次回作へのつなぎ
【ミスで明日の12時投稿になってました。申し訳ありません。】
「涼宮ハルヒシリーズ」に登場する主人公「キョン」。
彼の本名は本編で明かされることなく、ひたすら「キョン」と呼ばれる。
「ハルヒ」が流行っていた時は席順で彼の名前を特定しようとしていた人もいたが、
結局、作者が考えていなかったみたいな話で終わったと思う。
筆者の記憶が正しければ、確かあとがきかなにかでそう言っていた。
「そんなことってあるかよ?」と筆者が思ったのは言うまでもない。
「ハルヒ」はそういう魅力を大量に詰め込んだ作品だった。
「ハルヒ」のネットコピペの一つに
「ハルヒはメタSFでダン・シモンズの影響が云々コポォww」みたいなのがあるが、
そういうことを言わせるくらい何というか創意工夫(?)に富んだ作品だった。
だからこそ、「キョンの本名つけるの忘れてた」なんて言い分を
「はいそうですか」と言えるわけがない。
しかし、昨夜、筆者は考えを改めることになった。
自分の作品「月行装兵ヘイヴス」に名前がないキャラクタが存在しているのだ。
それに気が付いたきっかけはその名前がない彼女をメインに据えた話を思いついた時だった。
「ヘイヴス」の主人公エイサムも大概ひねくれた人間だが、
彼をして「忌々しい」と言わしめるその人物。
彼女がなぜそうなったかを考えると一つ面白くてそれなりの短さの話が書けるのではないかと思った。
そう思った筆者は自己満足用に作った設定資料的なモノをPCの奥底から引っ張り出す。
過去の筆者は何を考えてこのキャラクタを描いていたのか……。
結論から言おう。
何も考えてなかったのである。
資料を漁りだした当初はてっきり彼女の設定も考えていたものだと思っていたし、
メモ書きレベルでも良いから何か残っているものだと思っていた。
おかしいと思って本編をざっくり読み返してみても、彼女の名前は出てこない。
それでようやく思い出した。
彼女はそもそも、冒頭のシーンで登場を終えるべきキャラクタだったのだ。
そんなキャラクタに名前を与えるほど筆者のネーミングセンスは潤沢ではない。
その証拠に彼女の副官の名前は「コバライネン」。
レーシングドライバーの名前を持ってきているだけである。
彼も同じく特段書き始めた段階では設定がなかった。
「ヘイヴス」を読んでいてなおかつこのエッセイも読んでいる読者諸兄
(それがどれくらいいるのか全く不明だが……)はお気づきだろう。
彼女の名前は「大隊長」である。
いやいや、良く一度も名前が出てこなかったものだと我ながら仰天してしまった。
ただ理由は明白だ。
名前を付けるのがめんどくさかったのである。
筆者はネーミングセンスというモノがない。
しかも、ないくせに「ヘイヴス」はSFで未来の話なものだから
「無国籍感」のある名前をつけなければならなかった。
仮に今この世界に存在する名前を使ってしまうと「国籍感」がつく。
その「国籍感」は作中で言及されないのであれば、ただのノイズになってしまう。
メインキャラクタならなおのことだ。
だから、「エイサム」だの「ラギョウ」だのなるだけ「無国籍」な名前を考える羽目になった。
逆に「国籍感」のある「アシェイ」や「エリザベス」などは
実はちゃんと理由があってその名前(と言ってもコードネームの様なものだが)になっている。
その点、武器の名前は楽だった。
「PSFO Protection Sheild by Flying Objects」やら、
「LAERD Low Atitude Endurance Recon Drone」やら、
英語的に意味がある単語を並べるだけで良いのだから。
「あーまーぴあしんぐふぃんすたびらいずどでぃすかーでぃんぐさぼー」とか
ふざけた名前の兵器が実在するんだから最早それっぽさが正義であるとまで言える。
中学生の頃にとある雑誌でそれを読んで死ぬほど暗記した筆者には
こうした名前を付けるのは楽だった。
分かり易さはまた別の尺度であり、ここはカッコつける部分だとも思った。
だから、作中には意味の分からない単語がいっぱい出てくる。
が、無視してもさほど問題はないと判断した。
ミノフスキー粒子が何か分からなくても、ミハルが死ぬシーンで衝撃を受けて
カイが泣くシーンで泣けるのである。
ただ、型番「M16」や「AAM―92」のようなものは設定を加えた。
なぜなら、個人的に実在する兵器のモノがかなり覚えづらいからである。
覚えづらい理由は様々あるが、一番大きな理由は
「時々番号がかぶってるから」である。
一番、分かり易いのが「M1」だ。
「M1ガーランド」、「M1A1トンプソンサブマシンガン」、「M1カービン」。
ここに「M1軽戦車」が加わると手が負えない。
これらは全てWW1からWW2にかけて米軍で命名されたものである。
米軍は何を考えていたのだろうか……?
だから、これに嫌気が差した筆者は制式番号に関して規則を設け、被りが発生しないようにし、
その番号そのものにも意味性を持たせることにした。
例えば、劇中に出てくる「Mk-0016」だが、
「小銃」「実包」「対人」「六番目」という理由でこの番号がついている。
「Mk-4302」なら
「発射台(携行用が「台」そうでないものは「機」)」「誘導飛翔体」「多目的」「二番目」だ。
仮に「Mk-9999」と来れば、
「手投げ」「核」「式典用」「九番目」となり、かなり世紀末な兵器になる。
これは「SPY」などに代表される米軍レーダーの命名規則を参考にした。
……なんの話だか、忘れてしまった。
そうだ。「大隊長」の話だ。
とりあえず、次回作の構想を練っている間、比較的短めの彼女を主人公にした作品を書こうと思う。
早ければ、今日の0時にはアップロードされていると思う。
良ければ、ご一読いただけると幸いである。




