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「······さて、次はスキルについてだが。 スカイ、お前はなんのスキルを持っているのだ?」
ガンベルグ教官が聞いてきたので、生産から順に全部答えていく。
だが、答えていくと共にガンベルグ教官は、微妙そうな顔になっていく。
「······で全部です。 ガンベルグ教官?」
俺が喋り終わったのにガンベルグ教官は眉間の皺を揉んでいる。 具合でも悪いのだろうか。 しばらく沈黙が続くとガンベルグ教官がそれを破った。
「······はぁ。 いいかスカイ、よく聞け。 お前が持っているスキル、ほぼ全てが扱いづらいスキル。 お前達異世者が言うところの、不遇と言われるものばかりだ」
「······へ?」
いきなりの不遇宣言に半分以上ついていけない俺。 その様子を見たガンベルグ教官は、補足をしてきた。
「いや、全部が全部悪いわけでは無い。 不遇と言うのは二種類あるらしいじゃないか。 物作りをするスキル、生産スキルだったか? は、『取るのが少々躊躇われるレベル』と、お前達異世者のスキルの研究を行っている者達が言っていたぞ」
と、言われたがあまり慰めになってない。
スキル研究を行っている者達と言ったのは、おそらく検証班のことだろう。
「なんで生産スキルが不遇なんですかね? やる人も多いはずなのに」
「ふむ。たしか、『成長度が遅いし、NPCがしっかり働いてる。更にはギルドもあるから、強化系スキルも生産特化しないとムズい。特化しないでやるなら趣味程度かなー』と、言っていたな」
それを聞いた俺は納得した。 おそらくだが、成長度が遅いと言うのはまんまで、NPCがしっかり働いてると言うのは、元世者がスキルをレベル上げする努力をしているから。
そしてギルド経営をしていると言った部分だが、これが生産スキルを不遇扱いさせる一番の理由だろう。
このゲームは金で買い物をする。するともちろん金を得る方法が必要になるが、討伐クエストだけでは儲からないし、儲かるクエストは初心者プレイヤーにとっては危険だ。かと言って生産系のクエストはスキル枠を埋めるしかないため、戦闘を主流にしたいプレイヤーには向かない。 とすると、初心者プレイヤーしかり戦闘型プレイヤーは、採取系クエストを、単一または、掛け持ちで受けるだろう。
そして、当然のことだが採取した物をギルドに渡す。すると、ギルドはかなりの量の素材を獲得でき、それを生産に回せる。生産者のスキルレベルはあがり、その生産物を買ったプレイヤーは、さらに敵と戦ったり採取をしたりして······。
といったようなループが発生することによって、元世者の生産スキルレベルは爆上げされ、店を経営したい場合などは生産に特化したプレイヤーしか対抗できない。
だから特化する気がないなら趣味程度にしておけと検証班の人達は言ったのだろう。
「ああ、そうだ。忘れていたがたしかこんなことも言っていたぞ。『なにより、製造方法が教えてもらうか、自分で考えるしかないのが渋い』だったな。 当たり前のことだろうに」
「なっ!」
この言葉に固まる俺。 つまりFFOでは、現実みたいに調べたり、教わったり、自分で考えたりしなきゃいけないと言うことだ。
製造方法などはメニューやスキル欄などに載っているかなーと考えていた俺は、このことにかなり慌てる。
「······ま、待ってください! そうすると生産系のスキル持ちの知り合いもいない、ツテもない俺はなにもできないじゃないですか!」
と、詰め寄った俺にガンベルグ教官は
「いや、そこまで悲観しなくていい。 見習い程度の製法なら、本で売っているからな。 そこから自分で研究していけばいいだろう」
この言葉に少し安心した俺だが、このあとの展開は予想を超えるものだった。




