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遠くからはるか☆IF YOU CAN  作者: ヨシトミ
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第50話 ゲームん世界も芸ち言っとならこいも芸んうち

第50話 ゲームん世界も芸ち言っとならこいも芸んうち


ネットで競技タイトルば調べっと、「サクライゼーション」ちあった。

あん「サクライゼーション」にも大会があっ、世界大会があっ…!

そん日からおいは八百屋んバイトん合間に、智太郎んゲーム機ば借りたりしっせえ、

大会に出っためん練習ば始めた。


「兄さんほんとゲーム上手いよね、いっその事プロゲーマー目指してみたら?」


休みで家んおっ時は、智太郎も練習に付き合わせた。

智太郎も多少はゲームばしよっ、さすがイケメンアイドル声優じゃっどね。

オタクに媚びっゲーマーアピールち訳け。


「…ずっとおったアメリカん施設で、おいに出来っ事はこんゲームくらいしかなかった。

拘束されちょったひとりん何もなか部屋で、一日中ゲームばすっしかなか。

おいにゃゲームしかなか、そんくらいしかおいに出来っ事はなか…」

「兄さん…手伝うよ。俺にも教えてよ、『サクライゼーション』。

チーム参加が条件の時は、俺がチームメンバーになるから」


イケメンアイドル声優ん智太郎は忙しかけんど、練習にだいぶ時間ば割いてくいた。

そいがネットん掲示板で噂んなりよった。


“ともたろさん、彼女出来たらしい”

“最近よくツイートしてる『はるかちゃん』だよね”

“夜、一緒にゲームしてるっぽい。たぶん同棲してる”


「智太郎よ…何ね『はるかちゃん』ち、おいがおまんさん同棲中ん彼女け」

「そういう事にしといてよ兄さん、練習手伝うお礼って事でさ。

ちょうど彼女いないし、あれこれ詮索されるのも面倒じゃん。ついでだよ、ついで」


そんわっぜかぶにせなイケメンアイドル声優は、地区予選、エリア予選にも来てくいた。

…ダブルス戦がパートナーとして。


「続いてはエントリーナンバー2番、『ソウル・レディエーション』さんです!

メンバーは『IF YOU CAN』さんと『小島智太郎』さん…」

「えっ…『小島智太郎』て、声優の?」


施設時代んコードネーム「IF YOU CAN」は、そんままプレイヤーネームんなった。

智太郎は芸名んまんまらし、会場が大騒ぎじゃっど。

おいたち新井ん兄弟は善戦したけんど、ダブルス戦は3位に終わってしもうた。

やっぱい智太郎は仕事があっから、やり込みが足りんかった。

じゃどん個人戦でおいは優勝しっせえ、全国大会へ駒ば進めっ事が出来た。

直さんがおったらおいは万年2位じゃったろう。


全国大会で優勝すっと、アジア予選、そいから韓国で世界大会じゃった。

おいが施設ん部屋でひとり費やした青春は、ちいとも無駄やなかった。

プロ相手でん、おいがプレイはちゃんと世界にも通じっ。

能力ば使わんでん、自分の力だけでちゃんと優勝出来っ。


「IF YOU CAN」ち誰も見た事なかプレイヤーは、世界大会ん優勝で知られっようんなった。

ネット記事んインタビューで経歴も聞かれっようんなった。

じゃどんアメリカん能力者訓練施設んおったち、「はやとん国」んおったちよう言いきらんかった。

おいはただんヒキニート上がりちしか言いきらんかった。

他ん大会でん優勝すっと、ゲーム関連のイベントにも呼ばれっようんなった。

こまんかけんどスポンサーもつきよった。

おいがスポンサーは智太郎ん所属事務所じゃった。


智太郎ん所属事務所は大手から独立しっせえ出来た、まだ新しか声優プロダクションで、

智太郎とそん先輩声優らん、3人だけんこまんか事務所じゃった。

プロダクションち言うよか、合同個人事務所が近かと。


「…じゃどんサクライ家んわっぜか美人双子は、すんぐ嫁ん行きよっ。

ここはばばどん、おいはばばどん一択じゃっど」


動画配信が実況も頼まれっようんなったけんど、実況プレイは苦手じゃった。

何か話すたんびに観客がどっと爆笑しよっ。


「『じゃどん』だって! 『IF YOU CAN』はどこの人だよ! 笑える!」

「...But Sakurai's very beautiful twin girls marry soon.

Grandma...I choose grandma only....じゃっど」


英語に切り替えてみてん、おいはやっぱい笑いん種じゃった。


「『IF YOU CAN』バリ訛ってるくせに英語上手過ぎだろ、くそワロタ!」

「語尾が訛ってるぞ、『IF YOU CAN』!」

「だめ、笑いが止まんねえ!」


おいが「おっかん語」はいっつも笑いん的で、字幕がつけられちょった。

英語で実況してん、字幕が付きよっ。

あるイベントん公開実況プレイに呼ばれて行っと、観客ん間から声がしよった。


「兄さーん」


智太郎じゃった、同じ事務所ん先輩もいよっ。

仕事で来ちょったらし。


「智太郎の兄さんはすごい訛りだな」

「あれでも一応東京生まれなんだよ、兄さんは『おっかん語』とか言ってるけど」


智太郎とそん先輩もおいが「おっかん語」ん実況ば笑うちょった。


「むき!」


おいはぶち切れてしもうた。


「ああん! 笑うでなか! こいはおいがおっかんが言葉じゃっど!

こいはけ死んだおっかんが生きちょった証し、少なかおっかんが思い出じゃっど…!」


…やっど悠、目にゃ目ば! 声にゃ声ば!

テレキネシス、貴様らに「緊急イケメンボイス再生」ばしちゃっ。

おいが喉ん中で声帯がごにょごにょ動きよっ。


「上がって来やんせ、声優どん…こんゲームで勝負じゃっど」


最初は若かおなごん「清純ヒロインボイス」から始めた。

高めん透き通った甘か声で話す。


「おいに勝ってみやんせ…イフ・ユー・キャン、貴様らに出来っとならな」


もっぺんテレキネシス、途中から幼女ん舌足らずん高かロリ声んなっ。


「智太郎、貴様帰ったらただじゃ置かんでね…あにょがわっぜかお仕置きすっど」


最後にゃ直さん好みん「シブメン悪役セクシーボイス」ばお見舞いすっ。

腹にばりばり響きよっごた、吐息混じりん低か声で。


声帯ん変形は、「はやとん国」じゃ緊急回避ん誘導技じゃったけんど、

まあ良か…ゲームん世界も芸ち言っとなら、こいも芸んうちじゃっどね。

おいは「はやとん国」が王妃付きんミンストレルだからよ…!

何でんすっど、直さんに銭ば持って帰っためなら。


智太郎とそん先輩ん声優二人は、びしい固まっちょった。

どげんね、生死ばかかっちょっおいが芸は? ひったまげたけ?


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