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遠くからはるか☆IF YOU CAN  作者: ヨシトミ
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第4話 優しかおなごん「はるか先生」ん通信講座

第4話 優しかおなごん「はるか先生」ん通信講座


そうじゃっどな…おいが名は悠ち書きっせえ、「はるか」じゃからな。

おなごんごた思われちょってん、何も不思議はなか。

リートもまさか「美しか文字ん『はるか先生』」が、こげん色黒ん、丸顔ん、ヒゲん、

イケメンちゅうとならまだしも、こん顔にイケメンが要素んなか、

太てかむきむきんおんじょち夢にも思わんじゃろ。


子どんらからん連絡帳にゃ、おいへの質問も書かれっようんなった。


“はるか先生はどこに住んでいますか?”

“どうして私たちの勉強を見てくれるのですか?”

“はるか先生はどこで勉強を教わったのですか?”

“はるか先生、恋人はいますか?”


おいは夜更かししっせえ、添削ん後に、

子どんらからん質問へん回答ば連絡帳に書き込んだ。


“先生は本土の近くの火山の島に住んでいます、お魚や貝を食べて暮らしています。

最近は家の近くにお芋を植えて育てています”

“勉強は生きていくのに絶対大事だけど、誰も先生になりたいという人がいなかったので、

本土の商店のおやっどんに頼まれて引き受けました…引き受けて本当によかった!”

“先生は最近までアメリカという国にいて、そこでたくさんの勉強をしました。

難しい本もたくさんたくさん読んだよ”

“先生はずっと施設に住んでいたから、恋人は出来なかったよ。残念。

友達はたくさん出来たけどね”


子どんらとのこげん横道ん逸れたやりとりは、やる気ば出すんに役ん立ちよった。

おいもあげん問題出してみよけ、こげん問題はどげんね、

そげん嬉しか、楽しか悩みに毎日毎日頭ばぱんぱんに膨らましちょった。

子どんらは教育に飢えちょった。

こげん素人んむきむきんおんじょん教育でん、喜んで受けてくい、

回答んプリントにゃわからんとこん質問が、びしいと書き込んであった。

子どんらに教えながら、誰よりおい自身が勉強しちょっごたじゃった。


ここん子どんらにアメリカで最初におった施設ば思い出す。

そん施設はおいんごた、人より多か教育ば求めっ子どんらんためん特殊教育機関じゃった。

個々ん興味や能力ん違いはあってん、おいもそこん子どんらも皆勉強ば好いちょった。

ゆえに皆わっぜ高か成績ばあげちょった。

まだ10にもならん子が、高校や大学ん課程ば受けちょっが普通んとこじゃった。


じゃどんそげん子どんらは、普通ん学校にゃ馴染めんち思も。

協調性んなか、興味が偏っちょったりしっせえ、

突出んあまり、いじめん標的になりやすか子が多かった。

おいもじじどんやばばどん、おやっどがそげん思もっせえ、

アメリカん試験ば受けさしてもろて、そっから国ん認定ばもろうてアメリカん施設ん入った。

そん施設ん子どんらは「ギフテッド」ち呼ばれちょった。


次ん能力者訓練施設は、能力さえあればそいでよかったから、

出自もさまざま貧富も勉強ん好き嫌い、出来不出来も一切関係なかとこじゃった。

そん中でんおいんごた「ギフテッド」ん施設出身者は、珍しかもんで、

おいは「多重能力者」として、能力研究者らん興味ば引きっせえ研究ん対象んなった。


珍しか研究対象ん遺伝子も当然、彼らは興味津々じゃった。

そいは試験管が中ん事だけやなかじゃった。

二十歳頃から施設ん深部んおっおいが前に、知らんおなごらが連れて来られっようんなった。

おなごらは皆、意識がなかか、薬で朦朧としちょった。

まるで現役引退ばした種馬んごた、おいはおなごはようさん抱かされた。

たぶんおいにゃ顔も見た事なか子どんがようさんおっと。

あげん事知りともなかった、おいはおなごどころか恋も知らんでん良かくらいじゃった。

ただ自分が興味んまま勉強しっせえ、そいでけ死んでんよかった。

夜、時々子種ば地に流しながら、男ん身体ば呪うた…。


離島ん子どんらんためん、通信教育…おいは免状ば持っちょらんから通信講座か。

そん噂ば聞いっせえ、冬も近か頃にゃ生徒ん数は当初ん9人から12人んなった。

プリントば送ったびん、回収すっごとん、添削すっごとん、おいは思もようんなった。

前任の「ナカムラ先生」はどげんしちょっとか、どげん問題ば作っちょっとか、

どげん添削しちょっとか、子どんらとどげんコミュニケーションば取っちょっとか。

おやっどんはわっぜか熱心に教えちょったち言いよっ。

そげん人がなして、突然おらんようんなっとか。


おやっどんは時折配達んついでん、こん火山島ん寄っせえ、

サプライば補充しっせえ、おいが通信講座ん様子ば見に来てくいた。

晩秋でんこん「はやとん国」はぬっか、植えた唐芋はこまんかけんど一応収穫出来っ。

こん気候なら土ば改良したら、みかんでんぼんたんでん作れっけ。

灰が降っ、屋根も要っと…ハウスんしたら良かかね。


そげんある午後、こん島んあっ湾に外海から入って来っ小舟があった。

珍しかあ、漂流者じゃろか。

おいは岬ん見えっとこで、魚ば干さんちさばいちょった。

小舟はどんどこどんどこ、こん火山島ん近づいて来っ。

敵け! おいは冒険者から奪うた武器ば手に構えた。


敵は船ば浜ん着けっせえこん島に上陸しっせえ、斜面ば上がって来よっ。

…ん? 冒険者んしちゃちいとおかしか、漂流者でんなか。

こまんか冒険者じゃっどな…しかも丸腰じゃ。少年け?

15歳ぐらいで耳がちいと横ん張り出ちょっ、髪も肌も良う陽に焼けちょっ、

緑ん目した美しか少年がおいに手ば振っちょっ。


「あのう、おじさん! はるか先生…新井悠という方はこの島にいませんか?」


やっぱいおいは「おんじょ」け!


「貴様誰ね?」

「リートです! はるか先生に勉強を見てもらっている…」

「リート…! あんリートけ!」


こん少年があんリート!

おいは額ん手当てっせえ、くらりとした。


「あ、俺の事知ってるんですか」

「…すまんリート、おまんさん想像と違うて。こげんむきむきんおんじょで。

こん島にゃおい一人しかおらん、おいが新井悠じゃっど…」


リートはおいが事、「美しか文字んやさしかおなご」ち思もちょった。

そいがこげんぶにせじゃ、きっとがっかいしたとね。


「えっ…おじさんがはるか先生?」

「おいが『はるか先生』じゃっど、『悠』ちおなごんごた名じゃけんど」


げんなかあ…おいは赤うなっせえ照れ笑いした。


「…すげえ! 何言ってるかよくわかんねえ! 格好も上半身裸だよ! 

顔もヒゲも何もかんも、はやとん国の昔人みたいだ! かっけえ!

これがアメリカ語か! はるか先生、今度俺にも教えてよ!」

「えっ…」


こいは予想外ん反応じゃったな…。


「こいはアメリカ語やなか、おいが『おっかん語』じゃっど!」


おいは腕組みしっせえ、どや顔んなった。

そん時、後ろん火山岩がからり言うた。

地震や噴火はなか。


「リート! 伏せえ!」


おいはリートん頭ば地面に押し込んだ。


「へ?」

「早よ! 敵襲!」


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