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遠くからはるか☆IF YOU CAN  作者: ヨシトミ
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第39話 通信講座ん先生が前ん転がっチャンス

第39話 通信講座ん先生が前ん転がっチャンス


「…助けっとは直さんだけで良かけ?」


おいは泣いちょっリートば撫でっせえ言うた。


「そげん訳なかろうもん、おいは直さんが事もこん国も民も助けっ…」

「ハルカ、ここは俺らにまかせろ」


戦いから戻ったポチャ弘どんが言うた。

肉弘どんもそん隣でうなずいちょっ。


「ポチャ弘どん、肉弘どん…」

「雑魚は俺らと『電脳シーマンズ』で相手しよう。パパ久、デブ久も手伝ってくれ」

「了解、俺らが国の堰って訳だな」

「でもさ、ハルカの後を誰が指揮するのさ?」

「酔久にやらせよう」


後方ん指揮ばしちょったくじ久どんが言うた。


「酔久は身体こそ不自由だが、間違いなく『電脳シーマンズ』の要。

『電脳シーマンズ』最高の人だ、これ以上の人材がどこにいる?」

「僕はかまわないけど、くじ久兄さんは?」

「俺はミンストレルに同行する、交渉には組織の代表が行くものだ。

ぶういち、お前も来てくれるか?」


くじ久どんはぶういちおやっどんに視線ば流した。


「もちろん。新参のよそ者であるハルカ一人ではナメられてしまう。

それと…ハルカの言葉が通じるのはやとん国でだけだ、たぶん通訳が要る」

「えっ、おいが『おっかん語』が通じっとはこん国でだけけ?」


皆がにやにやしっせえ、うなずきよっ。


「はるか先生知らなかったの? 前にはるか先生の事昔人みたいて言ったでしょ?

今はみんな共通語だけど、昔ははやとん民もはるか先生と同じ、

『はやとん言葉』をしゃべっていたんだよ」

「何ち、おいが『おっかん語』は『はやとん言葉』ち言っとけ…!」

「今じゃ年寄りでも使わないけどな」


ぶういちおやっどんが笑うた。

もしかすっと、おいがおっかんははやとん国ん出け…?

じゃどんおいがおっかんは昔ん人やなか、どげん事ね。


「行こうハルカ、王妃さまが待ってる」


戸惑うおいが腕ば、ぶういちおやっどんがつかみよっ。


「俺たちもここが片付いたら合流する、それまで王妃さま死なすなよ」


パパ久どんは笑ろっせえ、武器ば手に皆と前ん出た。


「行くぞはやとん豚ども! 自由のために!」

「隼人の名にかけて! 豚の名誉にかけて!」

「ぶひょっ! ごはんにかけて!」



おいとぶういちおやっどんとくじ久どんの三人は、タビタとリートん案内で、

街ん外ば迂回しっせえ、ウスミ方面へ向こうた。


「アタの街には前国王統治時代の旧国民が集結している」


野ば分けっせえ進みながら、タビタが教せてくいた。


「元王妃は俺たちにとっても冒険者らとの間に入る要人だ、安全なところに隠している。

そうそう見つかるはずはないと思うが…」

「くじ久どん、直さんはどこね?」

「オフライン…この国は冒険者らにとってゲームの中の世界だ。

そして王妃はミンストレルと同じ外から来た人間、不正ログインのチーターに相当する。

王妃を彼らで言うオフライン、つまりログイン状態を隠せば安全だ」

「オフライン! そげん事どげんしっせえ…」


おいは目ばむきっせえ、くじ久どんが方ばぐりん振り向いた。


「俺たち『電脳シーマンズ』は運営とつながり、業務の一部を委任される管理者ギルドだ。

当然ゲーム制作、プログラミングの知識を持った人間がいる。

王妃のデータに関するコードを改変し、ログイン状態を非表示にすれば良い」

「じゃどん、そいは完全にログアウトしちょらんち事じゃっどね」

「まあそうなるね…身柄は自由だが、ログイン状態がいつまた表示されるかわからない、

そう好きには動けないはずだ…必ず近くで待機している」


アタん街に入っ前、おいたちはちいと休憩した。

ぶういちおやっどんが陣から持って来てくいた水ば飲みっせえ、パンば喰らう。

ついでに小便もすっ。

草むらんなかで小便ばしながら声ばかけっ。


「ナカムラ先生…おまんさ、くじ久どんが話ばどげん思もちょっ?」

「…………」


ナカムラ先生は無言になっせえ、黙りこんじょった。


「良か、ほんなら話ば変えもんそ…おまんさ、なして直さんと、子どんらと別いた?

なしていきなり失踪ばしよった? 全てば捨ててまで…」

「悠という存在を知ってしまったから、ぐへ…じゃなくてね。

この国の危機を知ってしまったから、そして救うチャンスが目の前に転がって来たから。

それがたまたまある日突然だっただけの事、それでいいか?」


どげんチャンスね、そい。

離島暮らしん通信講座ん先生が前に転がって来っチャンスち、そげんなかろうもん。

まるで普通んおなごが、ある日突然どこぞんよかにせに見初められっシンデレラんごた…。


「…そういや直さんはどげんしっせえ前ん国王と結婚しよった?」

「さあな」

「直さんはまずかおなごやなかけんど、わっぜか美人ち訳やなか。

しかもおいよか年上ん、結婚当時すでに四十近かおばちゃんじゃっど…しかも声オタん。

あげんおなごが結婚出来っち、国王ん趣味がおかしかか、そいか…」


国王側に直さんと結婚すっ太てかメリットがあったち事。

おいが先生ち事は直さんもまた相当に頭が良か。

おいが能力ば予測しっせえ避けっほどん。

直さんも「ギフテッド」ん出身…。

国王はじめ冒険者らはそん頭脳と結婚した。

そして直さんは国と結婚したち言うちょった…こん「はやとん国」んためん。


「国王は腐っても国王だ、その国王になるほどの男が一時の感情だけで動くと思うな。

一国の王妃には必ず相応の資質と、結婚する事の利益が求められる」

「しかも寵妃となりゃなおさらじゃっどね。なあナカムラ先生」


ナカムラ先生はそれきりしゃべらんようんなりよった。


「ナカムラ先生…?」


おいたちはまた進み、アタん街へ入った。

学校ん物置に隠れちょっ子どんらと合流すっ。

子どんらにゃブタ元どんがついちょった。


「はるか先生じゃっど、おまんさら無事け?」

「はるか先生…!」


子どんらが一斉に集まって来よっ。


「でもはるか先生、母さんと女の人らが…」

「タビタとリートから聞いた、先生が助けっ」


そん時、通信におなごん遠か声が流れて来よった。


「断る…!」


…直さんボイス!


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