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遠くからはるか☆IF YOU CAN  作者: ヨシトミ
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第26話 貴様ら島津ち言うとなら「釣り野伏せ」んひとつくらいしやんせ

第26話 貴様ら島津ち言うとなら「釣り野伏せ」んひとつくらいしやんせ


おいは消えてはまた現れっせえ、また消えっせえ、そん度に島津ば挑発すっ。

「イフ・ユー・キャン」、「イフ・ユー・キャン」ち言うて。

島津んやつらは剣ばぶんぶん振り回っせえ、おいが事追いかけよっ。

楽しかね、施設ん訓練ば思い出す。

「イフ・ユー・キャン」、敵役ん男らは全員アメリカ人じゃったから…。


施設で日本人のおいにゃ日本人らしか先生がついちょった。

たぶん日本人、じゃどん日系人か在米日本人かも知らん。

名前は知らん、先生は決まりで教えられんち言うちょった。

5つ上ん若かおなごん先生じゃった、顔は良う覚えちょらん。

そん時まだ少年じゃったおいはただ「先生」ち呼んじょった。


先生はおいが前におった「ギフテッド」ん施設ん卒業生でんあった。

ある時、テレパシーんなかおいに先生はこっそり教えてくいた。


「悠、相手の動きをよく見るんだ。それがほんのささいなものでも見逃すな。

そこには必ず相手の次の行動が隠されてある」

「じゃどん先生、おいは探偵やなかでね」

「その頭脳は何のためにある、例え破片でも細かなデータは蓄積すれば意味をなす。

蓄積されたデータを元に計算すれば予想は立てられる。

予想が立てばその先を推測出来る、そここそ頭脳の使いどころだ」


15んなりたてん、月ん明るか夜じゃった。

先生はおいが部屋に忍んで来てくいた。


「悠、お前なら出来る、絶対に出来るから。

鍛えればきっと、テレパシーよりも予知よりも当たるようになるよ…百発百中だ」

「先生はなしてそん事ば…」


おいは笑う先生に問いかけた。


「予感だよ…先生は悠を助けたい、今教えた事はいつか必ず悠の役に立つ。

先生は悠大好きだから、特別だよ…内緒だよ」

「先生、特別で内緒ならもういっこ教えてくれんね…」


外ん世界から隔離された少年が、こん若かおなごん先生ば好きんならんはずはなか。

初恋ちもんやなかけんど、おいは先生ん事好いちょった。

そん夜、おいは初めておなごば抱いた。

そん翌朝、先生は施設から消えよった。

先生は国に殺さいた、たぶん。


「予感だよ」…先生も「ギフテッド」ん施設ん卒業生、きっとそん事ぐらい予感しちょった。

国ん意思ひとつでおいたちはいつでん殺されっち。

だから先生は禁ば犯っせえ、おいが部屋に忍んだ…。

先生が教えはおいが訓練ん成果にすぐん出よった。

テレパシーや予知やなかで計算、理論に基づく解答…まさに百発百中じゃった。

敵ん動きが読めっ、先回り出来っ。

どげん攻撃でん避けられっ、当たっ気がせん…!

そいから半年後んサバイバル訓練が昼飯時じゃった。

いきなり訓練が中止されっせえ、おいは施設ん深部に幽閉された。


テレキネシス、おいは能力で建てもんの窓ガラスば破いた。

ガラスん破片は追尾すっ事なく、滞空しちょっ。

島津んやつらが来っ、破片らが包囲しっせえ迎え撃ちよっ…。


「ぐは!」


ガラスで島津んやつらは血ば巻き上げよっ。


「『どきどき! 校舎ん窓ガラスがい・け・な・い☆釣り野伏せ』じゃっど…!』

「『釣り野伏せ』!」

「貴様ら島津ち言うとなら『釣り野伏せ』んひとつくらいしやんせ」


テレポーテーション、おいはまた消えっ。

一人、また一人、脱落しっせえ、そいでん島津んやつらは追いかけて来よっ。

「イフ・ユー・キャン」、「イフ・ユー・キャン」…。

おいが挑発に山ば越えっせえ、海ば越えっせえ、カゴ島ん火山ば登りよっ。

…テレキネシス、おい自身ば!


「キル・ミー・イフ・ユー・キャン…さあ殺してみやんせ島津」


おいはカゴ島…ナカムラ島ん火山が火口ん上に滞空した。

通販で買い物かごばアタんぶういち商店に飛ばせっとなら、人ん身体くらい簡単。

島津んやつらが火口ん縁に立ちよったところで、おいはちいと後ずさった。

おいが挑発で盲目ん島津は、そいでん追跡ば止めん。

無駄な装飾ん多か装備ん男らが火口ん縁から、ばらばら塵んごた落ちよっ…。


おいは火山ば下っせえ、アタんぶういちおやっどんに声ば送っ。

…声ば作っせえ。


「あのですよう、おやっどん、おやっどん…悠じゃっど。

今、島津んやつらばカゴ島ん火口に突き落とした。

…追われちょっ、こいから隠れっ」

「ぶひょっ、ハルカ? 何だその声は…何の声真似だ? いよいよはやとん豚参戦か?」

「音声データがなか、即興じゃっど」


もちろんそいは撹乱がためん。

島津もさすが選ばれし伝説ん勇者じゃっどね、もう手が火口ん縁にかかっちょっが。

火口んマグマごときじゃ、レジェンドレア装備は溶かしきらんち訳け…。


テレポーテーション、おいは飛ぶ。

島津んやつらが追う。

おいは島津ば連れっせえ、ウスミからアタまでぐるぐる回っ。

そんうちに島津んやつらはだんだんに息ば切らっせえ、脱落すっもんが出てきよった。

いくら装備がレジェンドレアでん、中ん人はノーマル以下。

所詮ヒキオタニートん集まりじゃっどね、体力などなか。

最後ん島津が脱落しよったウスミん海沿いん街で、おいは逃走ば止めた。


…さすがにおいも疲れた、力ば使い過ぎてしもうた。

テレキネシス、声ば送っ…ウスミにゃポチャ弘どんがおっ。


「アホかハルカ、なぜ俺らはやとん豚を呼ばん…一声かけてくれりゃ参戦するのに」


軽トラでおいが事回収に来たポチャ弘どんは呆れちょった。

ポチャ弘どんとはリアルで初めて会うけんど、クレアボヤンスんせいで、

初めてち感じがちいともせん、まるで昔から知っちょっごた。

ポチャ弘どんはリートと同じで、エルフとはやとん族ん混血らし。

良う日に焼けちょっとこも、丸か耳がちいとだけ横に出ちょっも同じ。


「ぶういちおやっどんにゃ連絡したがあ…」

「しっかし生ハルカがまさかこんなウスミとかにまで来るとはな…」

「カゴ島からじゃったらウスミは近かと」

「そのうち火山が噴火でもすればウスミやアタと陸続きになるさ、そうなりゃもっと近い」


海ば横に軽トラば運転すっポチャ弘どんは、くわえ煙草しっせえ笑うた。

後ろへ雑ん流した白髪混じりん髪が、夕陽できらきら光っちょっ。

名前こそ「ポチャ」ち言うちょっけんど、ポチャ弘どんはちいとも「ポチャ」やなか。

太てか筋肉ん海ん大男じゃっど…。


「まあ今日はうちに泊まって一晩ゆっくり休んだらいいよ。

風呂も沸いてるし、朝獲って来た魚もある、家には今デブ久も来てるし」

「えっ、デブ久どんが?」


こいは…会うてみんと!


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