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遠くからはるか☆IF YOU CAN  作者: ヨシトミ
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第25話 いけんが、おいはナカムラ組んもんやなかでね

第25話 いけんが、おいはナカムラ組んもんやなかでね


「は?」

「具体的に言うと、前国王との結婚で私がギルド第2位に組み込まれてしまった。

だから情報は持ってる、はるか先生を通して何でも聞いて欲しい。

もちろん必要とあらば私が内部工作を行う、いつでも言ってくれ」

「なるほど…第2位ならば、我らが王妃さまを次の国王に推してもいいわけだ」


ぶういちおやっどんは目ば光らせた。

じゃどん直さんは難色ば示した。


「えっ、それは困る」

「なぜだ? 王妃にまでなっておきながら…」

「はやとん民のために働きたいのはやまやまだけど、国王なんかなったら、

はるか先生誘惑できなくなっちゃうじゃん! せっかくあとちょっとなのにい!」

「ぶひょっ」


おいはお茶ば盛大に吹いてしもうた。

デブ久どんはふむふむ言いっせえしきりに感心した。


「あー、そら仕方ないわな。はるか先生はむきむきだからな」

「てか王妃さまがはるか先生と再婚すれば、国王の仕事も出来るんじゃね?」

「あ、そいは無理じゃっどブタ元どん。おいも直さんもよそもん、元ん国に戸籍があっと。

こん『はやとん国』でどげん認められてん、元ん国で婚姻届ば出さん限り結婚は成立せん」

「えっ、詳しいなハルカ…もしかして王妃さまとの結婚を本気で考えた?」


ぶういちおやっどんはたじろいだ。


「おいはこん『はやとん国』に流れ着きよった漂着者…こいが現実じゃっど。

戸籍がなかなら、結婚や養子など縁組みも出来ん、保険証もなか、

医療費も全額負担、正社員として就労も出来ん」

「ハルカ…」



あまり時間はかけられん、冒険者らにゃ知られとなか。

話し合いは早々に解散した。

ぶういちおやっどんが店から買いもんば火山島に送っ。

おやっどんは荷物にあの指環ん小箱ば付け足した。


「ハルカ…王妃さま、直さんはよそ者出身でも今はこの国の王妃だ。

王妃さまとなら結婚も出来る、ハルカもこの国の戸籍を取得出来る。

…もしもハルカがこのままずっと、この国で暮らすつもりなら」

「あいがとな、おやっどん。じゃどん…」


こん国は風も民もぬっか。

じゃどんおいは元ん国に家族がおっ、家族ば残して来た…。

ただそいだけが心残りじゃっど。


「ずっとこん国で暮らしたか…じゃどん、元ん国にゃ家族がおっ、おいがおやっどがおっ。

じじどんがけ死んでからはたった一人ん家族じゃっど。

どげんしちょっ、せめて消息だけでん知りたか…」


火山島ん戻っせえ、一人きりん家でぶういちおやっどんが荷物にねじ込みよった、

あん指環ば男ん太てか指でつまみ上げっせえ眺めっ。

…きれいな指環じゃっどな、じゃどんちいと変わっちょっ。

付いちょっ緑ん石ん表面がガラスでコーティングされちょっ。

エメロード…違う、きっとオパールより柔らしか石じゃっど、

石は夜でん白濁した蛍光ん緑色ば自力発光しよっ…まるで放射能んごた。


おいはナカムラ先生が妄想用婚姻届に記入しっせえ、直さんに渡した。

じゃどん直さんはこん「はやとん国」が王妃。

前国王がけ死んでん、そん身分からは一生自由んなれん。

他ん男と結婚など夢んまた夢…たぶん直さん自身がいちばんわかっちょっ。

…直さん、おまんさはこん指環ん石とおんなじじゃっど。


そいから数日後ん日中、おいは家で子どんらからんプリントば添削しちょった。

皆良う勉強しちょっ…質問で空白もなか。

リートなんか別紙にまで質問ば書いちょっが。

嬉しか…こげん臨時ん素人ん先生じゃけんど、たんとたんと勉強しやんせ。

教育はいつか必ず思想んなっせえ、身ば助けっから。


添削ん後、連絡帳への記入ばすっ。

まずはタビタからじゃっど。


“こんにちは、はるか先生…ツンデレイケメン声優総受けローション!”


何ち、さすがタビタ…わっぜか下品な腐女子じゃっどな。

こいぞナカムラ先生が元生徒。


“今日ははるか先生に真面目な相談があります。

はるか先生があくまでも通信講座の先生だって事も、

むきむきおじさんなのを気にして、顔出し声出しNGなのはわかっています。

でもそんなのもう皆にばればれです、みんなもう知っています。

はるか先生が男の人だって事、むきむきなヒゲのおじさんだって事、

イケボじゃないけど丸い優しい声をしてるって事、ピュアな童貞って事も”


あちゃあ、ばれちょっけ…。

こげん色ん黒か、丸顔でヒゲんおんじょち。

じゃどんピュアな童て…いけんが、おいはナカムラ組んもんやなかでね。


“この通信講座はあくまでも有志による私的な通信講座です。

はるか先生、生徒全員を集めて通信によるスクーリングをしてください。

私たちに思想教育をしてください、はるか先生ならそれが出来る”


思想教育…!

前にも直さんが言うちょったな…こん通信講座は私設じゃから何教えてん良かち。

じゃどんおい一人ん独断じゃ出来ん、アタんぶういちおやっどんに相談せんと。

おいは着替えっせえ、髪とヒゲば整えっせえ、服ば着て外ん出た。

テレポーテーション、おやっどんが店へ。


おいがテレポーテーションは距離が短か、目的地がアタでん一度は中継地点に出っ。

そん中継地点は大体港ん倉庫ん間じゃった。

目立たんとこで着地すっと、おいは突然囲まれた。


「何ね…!」

「見つけたぞ、新井ゆう…お前はよくここに現れる、情報は本当だったな」


男らはこないだ会うた島津んやつらじゃった。

今日は幹部ら勢揃いけ?


「情報ち…」

「我々『電脳シーマンズ』はこの国の冒険者らを支配下においた。

情報ぐらいどうにでもなる…捕らえよ!」


テレポーテーション、おいは男らん中心からふっと消えた。


「捕らえっけ? 無駄じゃっど」

「何っ! くそ、すばしっこいやつめ…!」


おいは指で敵ば誘うた。


「来やんせ島津…捕まえてみやんせ、出来っとならな。

…キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンじゃっど!」


テレポーテーション、おいはまた消えた。


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