第12話 王さあはイケメンアイドル声優んごた
第12話 王さあはイケメンアイドル声優んごた
「知りたいか、はるか先生…最後までしてくれたら教えてあげる」
「うんにゃ、知りたか。じゃどんおいはせんでね…」
おいは直さんばひっくり返っせえ、腹ば見せちょっ蛙んごたにした。
恥ずかしか王妃さあじゃっどね、さあ言いやんせ。
「…私からは立場上接触出来ない。中村先生は政治の中枢に潜入した。
私たちのように裏でいろんな工作活動を行っているんだけど、ただ…」
「ただ、何ね?」
「最近消息を聞かない。まあ、いつ暗殺されてもおかしくはないけど」
「まこちけ? 嘘言うでなか…」
そん恥ずかしか饅頭に重しばしっせえ、おいは動いた。
誰がしてやっか、こんゲームはおいが勝ちじゃっど…。
火山島ん戻っと、夜んなっちょった。
ズボンの中がずるずるしっせえ気持ち悪りか、服ば脱ぎ捨てっせえ裸んなった。
誰も見ちょらん、暗うてわかりゃせん。
こん星空ん下ですっ事はひとつしかなか。
今夜は星が太てか…。
月ば見上げっせえ、黒か海に子種ば流っせえ、身体に残っ直さんが残り香に思も。
あげん人がここんおったら、火山島ん暮らしもちいとは楽しゅうなっとけ…。
ぎゃあぎゃあ騒ぎっせえ、夜は時々黙っせえ、いろんな事ようさん話っせえ。
あん人とじゃったら…なしてかそげん思も。
いけんが、あん人は人妻じゃっど。こん「はやとん国」が王妃じゃっど。
おいはあん人にゃ、ただん暇つぶしん遊び相手ん男…。
直さん、おまんさはおいに孤独ば教えっとか。
「は? 王妃さま? はるか先生、何の寝言だよ…無人島暮らしだからって溜まり過ぎじゃね?
ちゃんと抜いてる? だめだよ、定期的に抜かなきゃ」
「溜ま? 抜…?」
おいはタケ島んリートに声ば送っせえ、直さんち同志ん話ばしちょった。
リートは釣りばしながら、おいと話しちょっごたじゃった。
「王妃さあ…直さんはナカムラ先生ん事、わっぜ詳しか」
「まじ? んじゃ、ナカムラ先生が昔『むきむき動画』に、
エロMAD投稿してたのも知ってるかな? もちろんナカムラ先生大好物のおもらし系ね。
あと『サクライゼーション』の3秒TAS動画とかも」
「うんにゃ、そげん事やなかで…直さん、ナカムラ先生がおなごじゃったらし」
クレアボヤンスでリートん姿ば見ちょっ。
今びくんちしよったと、丸見えじゃっど。
「嘘! じゃ、王妃さまとナカムラ先生、あんな事やこんな事ずこばかやり放題か!
ん…? はるか先生、ナカムラ先生に妬いてる? 声が硬いよ? シブメンボイスのつもりか?
てか、そんな話まで聞いたって事は、王妃さまと会ったって事だよね?」
「まあ、なりゆきじゃっど…テレポーテーションで転移先にたまたまいよった」
「まじかよ…はるか先生それ不倫じゃん、王妃さまはまずいって。
はるか先生の事だから、どうせ入れも出来ずに終わっちゃったんだろうけど、
ばれたら絶対殺されちゃうよ…あ、ごめん、タビ…お客さん来た」
リートは突然会話ば切り上げよった。
見えちょっとよ、リートんお客さんはタビタち。
おいとあげん下品な下ネタばっかい言うちょってん、そげん赤うなっせえ…。
下品な半エルフと下品な腐女子んドワーフけ、お似合いじゃっどね。
おいは添削ん仕事ば中断しっせえ、ネットで検索してみた。
あったど…ハンドルは「ナカムラ先生」、そんままけ。まこち色気んなか。
内容はともかく、出来は悪りかなか…むしろかっこ良かあ。
再生数もコメントもようさんあっと…まこち無駄な才能じゃっどな、ナカムラ先生は!
そん才能ばなして授業に使わん、呆れっ。
続いて「サクライゼーション」3秒TAS動画…さすがゲームん天才じゃっどね。
じゃどんこん「サクライゼーション」は、おいも施設で持っちょったど。
確か未開ん灼熱ん地で、原住民がサクライ一族ば発展さすストラテジーじゃった。
オンライン接続が制限されちょったから、こん一人用ん「サクライゼーション」は、
おいんごたオフライン環境でん十分遊べたな…わっぜかハマっちょったど。
おいならRTA2秒以内で行けっ…! チートやなかでね。
おいは能力ば持ちよった、ただん廃人じゃっど。
「次からは正々堂々正面からおいで」
そういや直さんはおいに通行証ん札ばくれよったな。
行ってみっか…うんにゃ、城んもんらにゃあんま顔ば見られとなか。
おいはネットん検索窓に「はやとん国王妃」、「チェルビアッタ」ち入力した。
画像検索ばしてみっと、何かん行事ん時んもんじゃっどか、
大層立派な衣装ん直さんが微笑んじょった。
じゃどん、王妃チェルビアッタは入植者ん民ん評判は芳しゅうはなか。
むしろネットで叩かれちょっ。
そうじゃっどなあ、こん「はやとん国」ん王ちなっ男と結婚すっち事は。
王さあがどげんキモオタんブサメンでん、入植者らん間じゃイケメンアイドルじゃっど。
日本で言う「イケメンアイドル声優」が近かと。
彼らはそん世界ではイケメンでん、全体的に見っとそうでんなか。
直さんはおいんごたどげん見てんブサメンなんぞと、なして寝たかち思もちょっ。
なしてこんむきむきんおんじょん脚ん間に、顔ば埋めよっ。
久しぶりに生きた人に会うた気がしっせえ、おいは嬉しかったけんど…。
おいは直さんが左手ば取って導く。
指環んちんたか感触に、身体ん芯が疼く。
愛んなか触れ合い、そいで良か…こいはただんゲームじゃっど。
おいは直さんがあん丸か髪ば掴む、濡れっせえ白うなったおなごん顔ば笑う。
「ほんなこつ無様な王妃じゃっどな…何ねそん顔は、何付けちょっ。
何欲しかね? 何したかね? 王妃さあん口から言いやんせ、やらしか言葉ば」
掴んだ髪ばぐいと引き寄せっせえ、おいが腰に押しつけっ。
王妃ん貴か口から、糸ば引きっせえげんなか言葉や音が出っ。
おいたちはぎりぎりんとこで駆け引きばしちょっ。
…おいが直さんば抱きよったら、おいが負け。
こいがゲームちゅうとなら、おいは勝たにゃいけん。
じゃどん、何ち切なかゲームじゃっどか…。
帰り際、直さんはおいに一枚のDVDばくいよった。
「何ねこいは」
「顔出しNG、声出しNGのめんどくさい男のために作ってみた。
素材は中村先生の物からパク…いや借用した。
大事なところだけだが音は入ってない、お前がストックから選んでつけろ」
「あ…」
「お前、音声や物が送れるなら映像も送れるはずだ…。
さあイケメンボイス再生だ、はるか先生! はるか先生秘蔵のBLドラマだ!」
素材借りたち…やっぱい直さんはナカムラ先生がおなごじゃったか。
てか直さんはおいにBLドラマんデータしかなかち思もちょっ…。
「これではるか先生のイメージは『ハードコア声オタゲーマー腐女子』に…ぐへらり」
「アホやなかかね、『むきむきハードコア廃ゲーマーおんじょ』じゃっど。改めえ。
おいは『サクライゼーション』RTA2秒以内行けっど」
「マジか! 今度『むきむき動画』に上げてよ! 見たい!」
「断っ」
帰りにおやっどんが店に寄って行こけ…。
城ば出て街ん出っと、冒険者らん話し声がすっ。
おいは「カゴ島」ち単語に反応した。
「カゴ島の野人型モンスター、結構イケメンらしいよ」




