進化の結果
「んっ……?ここは……」
目を覚ましたのは森の中。ただ、暖かく優しい雰囲気魔力を感じる。
(クロがここに飛ばしてくれたの……)
心の中でお礼を言い、現状の把握をする。まずは格好だ。全裸。なぜ。
「……ん?なんで、自分の体がはっきり見えるの?」
かつての魔法の代償に失ったはずの左目から感じる世界の感覚。
「写せ、虚構を。」
短い詠唱で鏡のようなものを出現させる。そこにいたのは右目は銀、左目は赤のオッドアイ。左目を縦に裂くようにしてある青い幾何学的な模様。白っぽい肌に薄く輝く金の髪。
(誰やねん……)
関西弁で突っ込みたくなるほど美しく、現実離れしていた。ステータスは
擁名:ロキ・アイソレータ
旧名:莉子
種族:観測者
レベル:9999
体力:unknown
攻撃力:unknown
魔力:unknown
契約精霊:クロ(仮眠中)
(なんか、分からんのが増えた!?)
観測者
進化を遂げたもの。ひとを卒業したことを示す。恩恵はレベルがカンストする。
オブサーバーの
ステータス・unknown
この世界の理から外れた証拠。観測者の称号が無いと達成できない最強の域。数得られないほど膨大な量。無限ではないが、現在、このステータスを持つものは1人しかいない。
(見た目の変化は!?)
進化の恩恵
見た目が変化する。正確には肉体が変化し魔法を使うのに最も適する物に作り替えられる。欠損部位があった場合はそれを補う為に進化の前に倒したものの魔石を核として魔具を作り肉体に適用させる。
(うん?魔石ってなんだ?魔具?)
魔石
魔物、魔族を、倒すと手に入る。
生きた時間が長いほどおおきく純度の高いものが生まれやすい。生活や武器などに使われる。
魔具
何らかの原因で魔石自体が変化しアーティストとなったもの。価値は計り知れない。
(このながれだと、私の左目って……)
アーティスト:魔眼
魔王の魔石を核に作られた目のアーティスト。広域探知と魔力察知を最高クラスでパッシブ化する。武器の性質や魔物の魔石の位置がひと目でわかる。
(ですよねー)
そのステータスを、確認した直後に強い気配を感じる場所、魔窟へと駆け出していた。