ムカついたので・・・
しかし形勢はすぐに逆転した。
カナの顔が苦痛に歪む。フィンの顔がひきつった。そりゃそうだ、カナの後ろにファイヤーボールが直撃した俺が無傷で立っていりゃあな。
「はあ?何で無傷なのよ!」
俺は倒れようとするカナを片手で支えた。
「・・・ケイ?」
「どうやら正気を戻したようだな。」
マリはまだ、驚きを隠せないようだった。
「どうしてケイを殺そうとしたの?」
「それは・・・」
「カナ話すな。・・・フィン、カナに何をやった?お前口から聞きたい。」
俺はフィンを睨み付ける。
「先に私の質問に答えなさい。何で、無傷なの?」
「そんなの教えてやる。走って避けた以上」
「直前でファイヤーボールを避けれる訳ないじゃない!」
「ケイ君の言葉に嘘偽り無いよ。一瞬で10M動けるから。」
「そう、この移動法を瞬歩と言うのよ!」
「いや、言わねえ。というより復活速すぎ!」
「とても納得いかないけど、認めてやるからシリアス返せ!」
フィンの叫びに元の空気に戻す。
「今度は俺の質問だ。カナを洗脳したのはお前だよな?」
その問いを聞いた瞬間フィンは鼻で笑った。
「当たり前じゃない。他にだ・・・」
「それだけ聞ければいい。去れ」
最後まで言うのを待つ気もない。特殊警棒でフィンの腹を横凪ぎでぶっ飛ばした。フィンが城壁に穴が開く。それと同時に警報が鳴り始めた。城壁と連動していたのだろう。
さっさとマリを右にカナを左に抱える。
「何をしているのかな?ケイ君」
「ケイ、可能ならばお手柔らかに、」
「とりあえず逃げれるだけ逃げるぞ!乗り心地なんて知るか!」
「「イヤ~~~」」
ジェットコースター嫌いの二人の嘆きは続く。