カナいわく、デー・・・・・らしい
翌日、俺とカナは買い物に出掛けた。マリは、ドラゴンの素材で色々造るらしく留守番することになった。ウロとライはその手伝いだ。
つまり正真正銘の2人での買い物だ。用心の為、腰に特殊警棒を携えた。
「で?どこ行くんだ?」
「まずは、服!めぼしい服は覚えてるから!」
「服か・・・」
女の服選びは必ず時間かかるんだよな。
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たどり着いたのは、『フェルミ』という店だった。
「えっと、これと、これと、あれ持ってきて!」
「ほいほい」
「って、あれ?試着室は?」
「お客様、当店では『自動サイズ調節』のエンチャント魔法がかかっている為試着しなくてもよろしいですよ。」
「へえ、じゃあ早速買いましょ♪」
「・・・」
「どうしたのケイ?フリーズしてるよ?」
「わり、ちょっとな。」
ちょっと驚くぐらい服選びが早かっただけだ。
「じゃ、これ持って!」
「時空間よ。出よ。スペースホール」
俺はウロの眷属契約で手に入れた時空魔法でスペースホールに買った服を入れる。店員さんビックリだ。
「なんとも贅沢な使い方ね。」
「俺は、こんな方法でしか使わないからな。」
「でも、これなら次のも入るわね!」
「次?」
「あと、5、6軒巡るわよ。」
デスヨネ~。こんな早く終わるとは思ってませんよ。
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4時間後、ようやく服選びが終わり。昼食を取ることになった。
「何処にしようか?」
「そこ。」
「即決!?珍しくない?」
まさか、俺好みの店があるとは・・・
「あ、駄目。こっちにしよ!」
カナの選んだのは若い男女で賑わってるカフェだった。
「え?何で?」
「何でって・・・」
俺が選んだのは、古びた和風の店だった。
「あんなの、デー・・・とにかく駄目なの!」
「何言おうとしてたんだ?」
「良いから来い!」
「キャラ変わってるぞ。」
「ウルサイ!」
結局、カフェに行くことになった。チェ~
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「ケイ、何であそこでサケのムニエルなの!」
「そこに焼き鮭があったから!」
「だからサケのムニエル!第一カフェで、サケのムニエル頼む?」
「頼んだ!」
「そう言うことじゃなくて!」
「日本食は大事の文化!」
「違うく無いけど、ちが~う!」
全く言われた通りカフェにしたのに、何で不服なんだ?
「もう良いわよ!次行こ!次!」
「どこ行くんだ?」
「ギルドマスターに謝りに行くに決まってるでしょ!」
「あ~、そういえばそうだな。」
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はい、次々場所が変わってすいません!
こちら現場のケイです。
ただいま怒りと頑固な精神が暴れ、雷雨と豪炎を燃やしています!
もし、ギルド室にお出掛けの際は(精神的な)死を覚悟しましょう。
「ケイ聞いてるの!?」
「はいはい聞いてますよ~!」
そんな雷雨と豪炎をさらりと避けれるなら関係無いけど、俺みたいに。
「お願いします!帝国ギルド代表として出てください!」
リンが何を行ってるのか、分からない人が多いだろう。これで分かるならテンプレ小説の本の虫上級者だ。
ようは、魔武道会の出場をお願いされてるのだ。
どうやら王都ギルドマスター、ホークから俺の話を聞いたらしく。是非ともギルドの代表として出場してほしいらしい。無論俺の返事は
「断固拒否する!」
に決まってる!だってめんどくさいからな。
しかしそれを2人が許す筈がなかった。
ギルドの重要な代表を決めなけれなら無い為、『青龍』を倒した俺にお願いしたいリンはともかく、テンプレ好きのカナも参戦し、どちらも譲らず、堂々巡りしている。
「お願いです!私とホークさんの為を思って!」
「何でそこでホークが出てくる?」
「そりゃもちろん、ギルド勢力が勝つことがギルドの発展に繋がるからです!」
その後の話から、この世界には5大勢力があるらしい。
1つ目、全ての勢力に中立な立場をもつ、『冒険者ギルド』
2つ目、亜人差別の厳しい国、『ハイル王都』
3つ目、人情溢れる平和主義の国、『イデカ帝国』
4つ目、亜人が多く王都と敵対関係にある『アルマフ共和国』
5つ目、強い魔人が守る魔人最強主義の国『ゴスラ魔国』
で、5大勢力の内ゴスラ魔国を除く全ての勢力が魔武道会に出るらしい。そして、優勝したら自分達の勢力の宣伝になり、ギルドの発展に繋がるらしい。
「・・・ホークには世話になったしな。まあ良いだろう。」
「「よっしゃ!」」
ちょっとめんどくさい事になったがまあ良いか。
「それじゃ、登録は任せた。俺は帰るから。」
「本当にありがとうございます!」
そうして、ここを去るその時だった。
「見つけたぞ!ケイ!」
その声の先には・・・
「「何でここにいるんだ?汚物」」
「ふざけてるのか?」
だってマジで一生見たくなかったんだけど!