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04 おまえに娘はやらん!
「父上!」
すると大声を上げてフェミナが割って入った。フェミナは竜王とカズトの間に入るように移動した。
「父上! フェミナは覚悟を決めております! 私は魔王の妻となります!」
フェミナは手を胸に当て高らかに叫んだ。
カズトはここでようやくフェミナと顔を合わせた。お互い真っ直ぐに見つめ合い頬赤く染める。
「認めぬ! 我は絶対に認めぬぞ!」
竜王は顔を真っ赤に激怒して立ち上がり近づいてくる。
「往生際が悪いですよ、父上!」
フェミナは一歩も引き下がらない。
「そこを退けフェミナ! 我は魔王と話をしているのだ!」
「どきません!」
竜王はフェミナの目の前で止まったが今にもフェミナを殴り飛ばしそうなほど殺気だっていた。
「いいよ、フェミナどいてくれ」
カズトはフェミナの肩に手を置き竜王の前に立つ。
「ほお、いい度胸だ小僧」
「どうすればフェミナ姫を嫁にくれますか?」
「……ならば覚悟を見せてもらおう。貴様が竜国を裏切らぬという!」
竜王は尖った人差し指の爪先をカズトに向ける。
「何をすれば?」




