13 競技場12
カゲロウはその場に血を吐いて倒れた。
「カゲロウ!」
そしてオシリスに向かって勝利宣言がされた。
カズトはすぐに駆けつけてカゲロウの安否を確かめる。
「大丈夫かカゲロウ!」
「……ああ、すまないな……たいした事はできなかった……」
「気にするな、まだ俺がいるんだ。最悪逃げ回ってでも負けを避けてやるから」
カズトはカゲロウを元気づける。
カゲロウの体は傷だらけになっていて重症だが命に別状は無かった。
「ふんっ、貴様の部下にはおしい男だ。竜族でなければ俺が欲しいぐらいだ」
オシリスが笑いながらカズトに近寄る。
「ようやく次はお前の番だな。親父と同じ魔技を使うようだが俺には通用せんぞ」
「あんたは魔王と対決したことがあるのか?」
カズトは確認するように聞いた。
「くく、あれば俺の強さをより各国に知らしめられたのにな」
「そうか、なら安心したよ……」
「なんだと」
カズトはカゲロウを背負ってベンチに戻っていく。
「カズト様……」
「なあアガム大臣教えてくれよ。魔王の攻撃魔技を」
「分かりました。ただしあまり時間がありませんので手短に話します」
「ああ」
「まずはカズト様は自分の魔技を風の魔技だとお思いですが違います。ただこの魔技を発動する時風を連想される事から魔王様も風と呼んでおりましたが」
アガム大臣はサングラスを外してカズトにサングラスを投げつける。
カズトはそれを受け流した。




