表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人の王国  作者: ナベのフタ
第四章 魔国の魔王
78/92

12 競技場11

「どうしてだ。カゲロウの方がオシリスに攻撃しているのに?」

 カズトは不思議に感じた。


「フム。オシリス公がまさか防御の技まで習得しているとは……」

 アガム大臣は額から汗を流す。


「防御? だってオシリスは一つしか魔技を使えないんだろ?」


「はい、昔はそうでしたがオシリス公は二年の間各地の戦場を回っていました。恐らくその間に習得したのでしょう」


「どういった魔技かわかるのか?」


「およその推測はできますが、もしかするとカズト様の風化と同等の力を持つかもしれません」


「なんだと! こっちは攻撃技もないのにか!」


「オシリス公の魔技は破壊を司ります。それを防御に回したということは」


「まさかダメージを破壊とかないよな」

 恐る恐るカズトは聞いてみた。


「……フム」

 アガム大臣はカゲロウの方を険しい顔でいた。カズトも見てみるとカゲロウの拳はオシリスに当たっているのにオシリスは微動だにしていなかった。


「カズト様こうなればやはり昨日私が言ったことを実行するしかありませんな。」


「えっ、冗談だろ。俺にそんなことができるわけがない!」


「いえ、可能です。私はカズト様の魔技にはこの世界の誰よりも詳しいですから」


「俺とじいさんの魔技は本当に同じなのか?」


 アガム大臣は確信を持つように頷いた。


「……でも向こうは破壊でこっちは風だろ? 勝ち目とかあるのかな」


「確かに破壊と風では力関係では向こうが上です。しかしカズト様の魔技は正確には風ではありません」



「風じゃない?」

 そう言うと、競技場から大きな歓声がした。カズトは慌ててみるとオシリスの拳を腹に直撃しているカゲロウの姿があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ