05 競技場4
「なんだ、今の爆発は魔技なのか?」
フェミナがアガム大臣に聞いた。
「私もあのような魔技を見るのは初めてです。一瞬すぎて何をしたのか」
「だが爆発の割にシュベルコスの傷は浅かったようだ」
カゲロウは冷静に分析するようにクシャムを見る。
「そうね、次は私がシュベル坊の敵を討ってきてあげるわ」
腕を振り回しながらリンイが競技場に歩いていく。
「リンイ気をつけろよ」
「任せてカズちゃん!」
競技場に歩いていくとクシャムはリンイを見て無表情のまま警告する。
「竜族はこの程度ですか? なら危険したほうがいいですよ。次はあの程度じゃすまないかもしれません」
「ふんっ、その仏頂面を歪ませてあげる」
するとリンイは開始の鐘が鳴るまでに竜技を発動し体を青く光らせた。
「よしっ、あの状態ならば不意打ちの心配もない」
フェミナは安心したように見守る。
しかし鐘がなった瞬間にまた爆発は起きリンイは吹き飛ばされる。
「リンイ!」
カズトはまた急いで駆けつけようとするが土煙の中の中リンイは両腕を顔の前に重ねて防いでいた。
「熱いわね~」
両者から煙が出ながらリンイは腕に火傷を負っていた。
「……今ので、その程度ですか」
クシャムは威力を確かめるようにリンイを見つめた。
「今度はこっちの番……」




