09 仲間と再会
「フムフム、私の分もお願いできますかな」
「はーい」
赤スーツの男の魔国もアガム大臣だ。
「フムフム。カズト様三技までの間は気兼ねなくここでお休みください」
アガム大臣はカズトの隣に空気椅子で片足だけ残して座った。
「いい加減これ外せよ」
カズトは腕に付けられた黒いリストバンドを見せる。
「そうですな、三技が無事に終わった暁には」
「くそっ……なんで皆俺に構うんだよ。放っておいてくれ」
「仕方ありますまい時期魔王なのですから」
「……あんたはオシリス公が魔王になるのは反対なのか?」
「ええ、魔王様もそんな事は望んでいませんでした。それにカズト様は最後の希望でもあります。もしカズト様が王位を継がなければまた数百年は平和な歴史はこないでしょうな」
「重いな! それは完全に思い込みだ。俺が魔王になっても変わらないって」
「え~ いいじゃないカズちゃん。なっちゃいなさいよ魔王に。そうしたら国一つカズちゃんの好きにできるのよ。魔王になってお城の一つでも私に頂戴よ」
リンイは椅子を持ってきてカズトの後ろにおいて座った。すると手に持ったカップの置き場がない事に気付き、
「シュベル坊、そのテーブル持ってこっちに来なさい」
「うん」
シュベルコスは軽く返事をして四人用のテーブルを軽く片手でつまみ上げて運んでくる。
いつの間にかカズトを囲う様に全員が座っていた。
「鬱陶しいな、これじゃあ俺が動けないだろ」
「いいじゃない、ほらお菓子もあるわよ!」
「こら! やめろリンイ、……んぐっ」
リンイは無理矢理にお菓子をカズトの口の中に押し込んだ。




