08 何が起こった
「さあな、どのような魔技か分からぬ以上は捕らえようがあるまい」
「姿を消す魔技では?」
ドナが竜王に言ってみる。
「仮にそうだとしても奴にはもう一つ『風化』の魔技ある。組み合わせられたら捕らえようがない」
パリィンッ
急に王室の窓ガラスが割れた。
「これで逃げられたな」
竜王がそう言うと、
「ならば、また私が胸を突き出しながら追いかけましょうか?」
フェミナが冗談交じりで言った。
「胸を? 何を言っているの。フェミナ」
「放っておけ、逃げたいのなら好きにすればいい」
「しかしそれでは……」
ドナは心配そうに竜王を見る。
「何、竜国に攻めようというものがあれば返り討ちにするまでだ。しかしそれでは奴の存在も意味のないものになるが」
「……そうでしょうか」
「……」
カズトは白い大きな家の中にいた。全て白くできており壁も床も家具も全て白かった。
椅子を窓に持っていきそこから外の景色を座りながら眺める。
外には小さくだが竜国の白が見えた。
「カズちゃんふてくされてどうしたの?」
リンイが片手に紅茶の入ったカップを持ってカズト渡す。
「リンイ僕も何か飲みたい!」
「はいはい、ちょっと待ってなさい」
「…………」
「カゲロウちゃんにも入れてあげるからね」
リンイはシュベルコスとカゲロウの分のカップを用意する。
そしてもう一人、




