07 小さなお姫様と婚約!?
(やっぱりそういうことか……)
カズトはテュポを見るとテュポは頬を赤く染め照れていた。
「魔族にも戦争を望まぬ民は多いはず、それならば貴様を拒むことはするまい」
「フェミナ……本当にそう思うのか?」
「口を慎め、私のことはフェミナ姫と呼べ」
カズトは切なくフェミナを見つめた。
「俺が魔王になったら恐らくだけどもっと大勢の人が血を流すことになる」
「それはどういうことかな」
竜王がカズトに尋ねる。
「あんたらが魔国を乗っ取ろうとしているのは分かっている。そうすれば魔国の民と竜族の民は必ず戦をはじめる」
「……だがいずれは誰かが三国をまとめなければとお前は考えないのか?」
「まとめるならな。でもあんたらがしようとしているのは支配だろ」
「貴様我ら竜族を侮辱するつもりか!」
フェミナは激怒してカズトに掴みかかる。
「ひえっ!」
テュポがそれに驚いて手に持っていた本を落としてしまう。
「落ち着けフェミナ、……カズト殿の言いたいことも分かる。だが安心せよ。我ら竜族は本心から魔国との同盟を望んでいる」
「…………」
カズトはテュポが落とした本を拾い返そうとする。
「ほら、テュポ……」
テュポは不安そうに周りを見つめる。
「ふんっ!」
するとフェミナがカズトから本を取りテュポに渡した。
「貴様は随分と竜国を信用していないらしな」
「してないね……まあ、あんたらが何を企もうと勝手だけどさ」
カズトはゆっくりと腕を竜王に伸ばして親指を下に向けて言った。
「俺を巻き込むんじゃねえよ!」
次の瞬間一人の姿は消え全員が困惑した。
「消えた!?」
ドナやスイリュウが辺りを見回す。
「……ほう、こんな魔技を隠し持っていたとは」
「どうされますか竜王?」




