12 競技場
竜国にある三技の競技場。
そこには大勢の人が集まっていてドームに囲まれた会場の中は満員の観客に足元には紙コップや菓子の袋が散らかっていた。
「フェミナこっちよ!」
ドナが手を振ってフェミナに声をかける。ドナの周りには数名の兵士が護衛としてついていた。
「どう? 優秀な竜士は見つかった?」
「はい、有望な若い兵を用意しました。必ず勝利することでしょう」
フェミナは隣りに立っている兵士を紹介する。
「ドナ姫様、ご安心ください。魔技など所詮は竜技に劣る技です。この私がまばたきをする間もなく勝負をつけてみせましょう。はっはっは」
茶髪の大柄な男は大口を叩いて笑った。
「こんなのしかいなかったのか?」
「黙れ!」
「いつっ! ……」
隣で囁くカズトの足をフェミナはかかとで踏みつける。
「あら? フェミナったら賊をこんな所にまで連れ回して何をしているの」
「いえ、その、これは我ら竜族が魔族の者を倒す様を見せつけてやろうと……」
「ふーん、あまり勝手なことはしてはダメよ」
「はい姉上」
「それじゃあ私は上の特別席で見ているから頑張ってね」
ドナは笑顔で去っていった。すると後ろから見計らったかのように入れ替わりで紫色の帽子をかぶった小柄な男が入ってきた。
「何者だ、お前! ここは関係者以外立ち入れぬはずだぞ」
「ほほ、俺が関係者じゃないと?」
「なんだと?」
竜士の男がその男を追い出そうとすると竜士の男は突然吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
「ぐわっ」
竜士の男は気を失い倒れる。
「よく見ろ、俺の顔を」
紫色のマントをつけたその男は帽子をとって顔を見せる。
「そして覚えな、俺の顔を」
まだ若く二十前半ほどで黒髪の目つきの悪い男で命令するようにフェミナに言った。
「貴様は……何者だ!」
「セブン! それが俺の名だ。覚えろよ!」
「セブン! それじゃあお前が!」
「ああ、あんたらの対戦相手さ」
セブンは優越な笑みを浮かべて言った。




