09 姉妹
「うむ……」
「ちょっと、姉上どちらに!」
ドナはフェミナの手を引いて王室を後にした。カズトもフェミナに連れられその場を後にする。
「はぁ、はぁ、それで一体どうしたんです?」
「実は三技に出場するはずだった竜士が事故で大怪我をして、出場を目前にして戦闘不能になってしまったのよ」
「では、危険なされるしかないではありませんか」
「それがその事故は対戦相手の魔人が故意に起こした可能性が高いのよ。このまま棄権するなんて竜族としては引き下がれないでしょ」
「当然です!」
話を聞いてフェミナは興奮したように激怒する。
「そんな不正を行う相手など私が行って二度と立てぬように引き裂いてまいります」
「気持ちは分かるけど王族は三技には参加することを禁じられているわ。それに相手はカマイタチの異名を持つ不敗の魔人。すぐに代役は見つからなくて、だからあなたの部下で優秀な兵を誰かを貸してもらえないかしら」
「お言葉ですが姉上、私が所有する兵など極わずかです。アレキア姉様に頼んでみては?」
「アレキアなんかに話したら大事になるは父上に似て短気でなんでも力で解決しようとするから。そうすると頼れる相手はもうあなたしかいなくて」
「分かりました姉上がそこまで言うのならばなんとかしてみます!」
フェミナは張り切って返事をした。
「そうじゃあ、私は先に競技場に行っているわね」
「はい、任せて下さい」




