04 本望です(`・ω・´)キリッ
(やばい、どうしよう……俺はもう死ぬかもしれない)
カズトは湯気の舞う個室の中で自分の欲望と葛藤していた。何故ならシャワーを浴びる裸の女性の前にいたからだ。
「ふ― 」
抹茶色の髪をした女性で身長も年齢もカズトと変わらないように見える。
(やばい! 触っちゃダメだ! 触っちゃダメだ……)
お湯がかからない様に風呂場の隅にかがんでいるカズトだったが、女性の引き締まった美しい体に目は釘付けだった。そして女性の大き過ぎず小さ過ぎもしない胸のふくらみにカズトの手は自分の意志とは逆に胸にめがけて伸びていった。
「きゃっ!」
女性は驚いたように可愛げな声を上げた。
(あ~ なんだろう、これ? ……俺もう本当に死んでもいいや……)
極上の幸福感に包まれたカズトだったがその瞬間『風隠し』は解けて女性の前に姿を現した。
「なっ!」
(まずい! 大声を出される)
カズトは急いで女性の口を塞ごうと右手はまだ掴んで離したくなかったので左手を伸ばすとその女性は叫びを上げるどころかカズトの左手を掴んでそのままカズトを宙に上げて流れるようにそのまま床に叩きつけた。
「貴様! 何者だ!」
床にめり込むほど叩き落とされたカズトは答える間もなく気を失った。
「まあ、一方的に俺が悪かった。でも普段ならこんな事は絶対にしないんだ! つい魔がさしたんだよ」
「黙れ! お前は魔国の者だな。色々と話を聞かせてもらうぞ」
カズトは鎖で縛られ緑色の軍服の女性に連れられていた。
「えーと、もしかして拷問とかしたりしないよな」
「それは後だ、貴様のことはまず父上に報告せねばならぬ」
「おいっ、悪かったって。なんでも話すから穏便に話し合いで解決しよう」
足を止めようとするが女性の強力な力に引っ張られていく。




