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01 竜国
巨大な岩山に囲まれる竜国の城は城自体も巨大な造りになっており。城の上空にはワイバーンと呼ばれる赤い鱗を持つ翼の生えた巨大なトカゲが飛び回り、下に無数の洞穴があり虎の住処となっていた。
「すごいな、竜族はワイバーンに虎を完全に従えているのか」
三国の中でも竜族はすべての生き物と精通し統べる者と言われている。
「普通に行けば城に近づくだけでも困難よ。どうするの?」
「そうだな、とりあえずこの岩山を利用していこう。カゲロウ!」
「…………」
カゲロウは何も返事をせずに両手を岩に当て岩を溶かしていく。
カゲロウが溶かして行く道に従いカズトたちは無事に城の近くの岩山の下まで行くことができた。
「ここからは俺が一人で行くから。お前たちは逃げ道の確保をしておいてくれ」
「そんな、私たちも一緒に行くわ!」
「いや一人の方が潜入しやすいし俺は一応プロだから。その代わりもし俺がヘマして捕まったら救出を頼むよ」
「……分かったわ、気をつけて」
カズトはカゲロウが開けた穴から外に出て城へと向かった。




