26 あれって本気だったの・・?
「じゃあ、皆俺の仲間ということでこれからの目的を話そうと思う」
「ちょっと待った。まだ仲間じゃないわ!」
リンイは小さく挙手をしてカズトに鋭い眼差しを向けた。
「どういうことだリンイ? 俺達はもう仲間だろ」
ここに来てリンイが仲間から外れるのかと不安な表情でカズトは息を飲んだ。
「いいえ、違うわ。まだ仲間の証であるアレをしていないじゃない!」
「アレ? アレ…………か」
カズトは記憶を遡るように思い出していく。そこには思い出したくない記憶が出てきた。
「アレはいいんじゃないかな」
カズトは丁寧に言ったがリンイは断固として決意を決めていた。
「ダメよ! 絶対にやるわ!」
「……分かったよ」
カズトがそう言うとリンイは嬉しそうシュベルコスに近寄り額にキスをした。シュベルコスの顔は一瞬にして真っ赤になった。
「なっなっなっ……なにを!」
口を震わせながらシュベルコスはキスをされた額を手で押さえた。
「何ってコレが私たちの仲間の証なのよ」
唇に指を当てリンイは言った。
「さっ、次はアンタの番よ」
前髪を持ち上げてリンイは額を見せる。
「えっ、ええー!」
シュベルコスは動揺してどうしていいのか混乱していた。
「ほら、早くしなさい」
「あっ……うん……仲間の証なら仕方ないな……」
シュベルコスは完全に舞い上がっていた。
そして―
「はい、じゃあ次はカズちゃんとしてきなさい」
「え?」
のぼせ顔でシュベルコスはカズトを見ると一瞬で冷めた顔をして眉を寄せた。
「仕方ないよな、仲間の証なんだから」
カズトは嫌味のように額を出した。




