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一人の王国  作者: ナベのフタ
第一章 魔国のスパイ
22/92

21 3人目の仲間は子ども?

するとバンウを助けに行こうとするカズトの手をカゲロウが掴んで止めた。


「なんだよ? カゲロウ……」

 今まで静かに立っていただけのカゲロウが何かを伝えようとしているのが分かった。


「なんだよ……何が言いたいんだ」



「あの男は死んだ」

 カゲロウは静かにカズトを見つめながら言った。


「先の銃声と共に奴の悲鳴と人が倒れる音が聞こえた……恐らくもう……」


「そうか……死んだのか…………」

 カズトは呆然と動かなくなり目からボロボロと涙をこぼし始めた。


「カズちゃん? ……」


「なんだよこいつ」

 リンイとシュベルコスは涙を流すカズトを見て物悲しそうな表情をした。


「……悪い、実は人が死ぬのには慣れてなくてな。いつもこうして涙が止まらなくなるんだ」

 カズトは腕で涙を拭くが次から涙は溢れ出てくる。


「はは、これは当分治まりそうにないな、急いでここを出ないといけないのに……おっと!」

 前に出した足を踏み外しカズトはつまずく。それをカゲロウが手錠に繋がれたままの両腕を下にして支えた。


「ちょっ……無理しなくていいわよカズちゃん私たちでここは脱出してみせるから。ねっ、シュベル坊!」


「なんで僕が!」


「いいから!」


「うっ うん」

リンイに強く言われ反論できずにシュベルコスは頷いた。


「おいっ! やっぱり下の扉が開いてるぞ!」

 階段の上から看守の一人が声を上げた。


「マズイ、シュベル坊急いで扉を閉めるわよ!」


「えっ おう!」

 二人は急いで鉄の扉を閉めると扉に看守の銃弾が何発も飛んできた。しかし鉄の扉の裏にいる二人に銃弾は当たるわけもなく看守たちが来るまでに扉を閉め切った。


「ふぅ~ なんとか間に合ったわ」


「どうすんだよ扉を閉めたらお前たち逃げれなくなるぞ」


「うるさいわね、仕方ないでしょ看守に入り込まれるよりましでしょ!」

 すると轟音と共に扉の外から大きな衝撃が鉄の扉を襲った。扉には拳の後のようなものがめり込み飛び出してきている。


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