20 見つかった
シュベルコスはそう叫ぶと両手が青く光り出した。
「……ウソだろ」
「気をつけてカズちゃん竜技を使う気だわ」
唖然とするカズトにリンイは気をかける。
「正義の鉄槌を受けろ。この悪魔どもめ! 必殺……」
プオォォオオオ!
大きな音を出して警報が鳴りだした。
「なっ、なんだ?」
警報に驚いてシュベルコスは竜技の発動を止めた。
「やばい、気づかれた!」
「ちっ、このガキが騒ぐからよ!」
「へへん、いい気味だ。これでお前たちも終わりだな」
「何言ってるの? このままだとアンタは処刑されるわよ」
「ふんっ、僕をお前たちと一緒にするな! 僕は無実の罪で捕まっているだけだ。すぐに無実は証明される!」
「呆れたバカな子ね」
「とにかくここから早く逃げるぞ。シュベルコスお前も来い!」
「ふざけるな! お前たちを逃すものか」
シュベルコスは素早くカズト達の逃げ道を塞いだ。
「くそっ、面倒な奴だな……あれ? バンウは?」
カズトは周りを確認したがバンウの姿が見えない。
「アイツ! ……静かだと思ったら逃げたわね!」
ドオォォォン!
牢屋中に響くように銃声がした。
「なんだ! 銃声?」
「きっとアイツよ、いい気味だわ。私たちを裏切ったりするからよ」
「銃声がしたならバンウが危ない。すぐに助けに行くぞ!」
「ちょっとカズちゃんそんなことしてたら私たちまで殺されるわ! あんな奴放っておいて急いでここから逃げましょう」
「ダメだ、放っては置けない」




