表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人の王国  作者: ナベのフタ
第一章 魔国のスパイ
15/92

14 仕事しろよ

 リンイの言ったとおり看守はろくに仕事をしておらず建物の中にすぐに侵入することができた。刑務所の中は汚れていて白い壁はシミや汚れで茶色く染まっており外の悪臭よりも強烈な臭いを放っていた。牢屋の中にはわらが敷き詰められ囚人たち皆眠っていて扉の前に立てられたままの小さなロウソクの灯りを使ってカズトたちは囚人を起こさぬよう足音を立てずに静かに奥の部屋まで進んで行く。


「臭いな、看守たちも良くこんな匂いの中で仕事ができる」


「ここはろくでなしのたまり場だからね」

 鼻を抑えながら進んでいくと地下に続く階段を見つける。カズトはリンイに確認するように顔を合わせるとリンイは頷いて先に進み安全を確認するとそれをカズトに合図する。階段を下りてみるとそこには頑丈な鉄の扉が閉まっていた。


「成程、看守が手を抜くわけだ。この扉さえあれば地下の囚人は逃げられないからな」

 カズトは扉をなんとか開けられないか色々調べてみるが扉は分厚く頑丈で小さな鍵穴が二つあるだけで看守の鍵がないことにはどうしようもなかった。


「仕方がない俺が看守から鍵を盗ってくるからリンイはここで待っていてくれ」


「大丈夫? 私もついていきましょうか」

「俺はスパイだぞ。鍵を盗りにいって捕まるようなヘマはしない。いいから待っててくれ三分以内に戻ってくるから」

 カズトは言ったとおり三分かかったかどうかという様な速さで扉の鍵を持ってきた。


「スゴイは、さすがスパイ」

 今度はリンイが惜しみなくカズトを褒める。

 扉の鍵穴に鍵を通して回すと鍵が外れる音がし扉は開いた。扉の開くときさびた鉄の軋む音が静かな刑務所内に響き渡りその後静かな静寂に包まれる。



「……セーフ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ