1953–55年:戦後の空白と再編の始まり
勢力図の激変
•英仏:戦争疲弊で中東駐留軍を撤退
• 米国:敗戦と国内再建で影響力喪失
• ソ連:既に崩壊
→ 中東は“覇権の空白地帯”に
日本の動き
• 目的:安定的石油確保
• 行動:
• サウジ・クウェート・UAEに経済使節団
• 港湾・製油所・道路・通信網を建設
• 海上護衛と引き換えに長期供給契約
→ 「通商国家・日本」のイメージ定着。
ドイツの動き
• 目的:陸上覇権と資源自立
• 行動:
• エジプト・シリア・イラクに軍事顧問団
• 兵器供与・士官教育
• 反英仏・反王政の民族主義を扇動
→ 「秩序をもたらす強国ドイツ」の印象。
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1956–60年:最初の代理戦争期
エジプト革命(1956)
• 史実ナセルに近い青年将校団が王政打倒
• ドイツが:
• 戦車・航空機供与
• 情報機関と治安部隊育成
• 政権は:
「反帝・アラブ民族主義・反王政」
→ 親独エジプト成立。
スエズ運河の緊張
• エジプトが運河実質支配
• 英仏は介入できず
• 日本:
• 「自由通航」を掲げ外交圧力
• 直接軍事介入は回避
→ 日独の最初の大外交対決。
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イラク動乱(1958–60)
• 王政(親日) vs 軍部(親独)で内戦
•日本:
• 王党派に資金・顧問
•ドイツ:
• 共和派に武器・空軍支援
• 1960年:
→ 親独軍政が勝利
中東に「親日ブロック」と「親独ブロック」が明確化。
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1960年代:石油と民族主義の時代
陣営構図(1962頃)
日本陣営
• サウジアラビア
• ヨルダン
• クウェート
• UAE・カタール・オマーン
• モロッコ
ドイツ陣営
• エジプト
• シリア
• イラク
• 南イエメン
• アルジェリア
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アラブ民族主義の高揚
• 親独圏で:
• 「アラブ統一」
• 「社会主義的国家建設」
• 日本は:
• 王政と商業エリートを支援
• 革命輸出には距離
→
王政=親日、革命=親独という図式が定着。
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イエメン内戦(1963–67)
• 北部王政(親日) vs 南部共和派(親独)
• 山岳地帯で泥沼化
• 両陣営:
• 顧問団
• 砲兵・航空支援
• 死者数十万
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**日独冷戦の“中東ベトナム”**と呼ばれる。
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海上のにらみ合い
• 日本海軍:
• ホルムズ海峡・アデン湾常駐
• ドイツ海軍:
• 地中海東部に展開
• スエズ通航を巡り常に緊張。
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1967–70年:最大の危機
「第一次アラブ大戦」(1967)
※イスラエルは存在しないが、
アラブ内部戦争が勃発。
• ドイツ支援:
• エジプト・シリア・イラク連合
•日本支援:
• サウジ・ヨルダン・湾岸連合
• 発端:
• ヨルダン川流域・国境紛争
• クーデター未遂
戦争の様相
• 戦車戦・航空戦
• 両陣営の顧問が実質指揮
• 日本製艦載機が紅海沿岸を制圧
• ドイツ製ジェットが砂漠で制空権争い
結果(1968)
• 決定的勝者なし
• 国境ほぼ不変
• ただし:
• 地域の軍事化が極限に
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**日独が“もう一歩で直接戦争”**に至った瞬間。
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1970年代:石油戦争と緊張緩和
石油危機(1971–73)
• 親独諸国が:
• 日本への供給削減
• 日本陣営も:
• 親独国への投資凍結
• 原油価格急騰
• 世界経済混乱
→ 中東=日独冷戦の最大の武器に。
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部分的デタント
日独とも:
• これ以上の代理戦争は
• 石油供給の不安定化
• 世界恐慌再来の危険
を認識。
1974年:ジュネーブ中東合意
• 相互の政権転覆工作を抑制
• スエズ通航の中立保証
• 石油の「武器化」自制
→ 緊張緩和期へ。
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この世界の中東の特徴(1970年代末)
• イスラエルなし →
史実の中東戦争は起こらない
• 代わりに:
アラブ同士+背後の日独の代理戦争
• 王政国家は比較的安定だが保守化
• 革命国家は軍事独裁と治安国家化
• 民衆の間では:
• 反外勢力感情
• イスラーム主義が徐々に胎動
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火種は消えず、ただ凍結された状態。
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結論
イスラエル不在の中東は、
民族問題の代わりに
「覇権代理戦争」と「石油政治」が中心となる世界。
1950〜70年代は、
日独冷戦の最前線として
クーデター・内戦・石油戦争が連続する
不安定な半世紀になる。




