**「ロンドン軍縮条約(1922–23)」**
ロンドン軍縮会議の背景
戦後世界の状況
• 英国:
勝者だが財政破綻寸前。海軍維持は限界。
• フランス:
大陸防衛優先、海軍は負担。
• 日本:
欧州派兵と対潜戦で国力消耗。
だが列強の一角として発言力最大。
• 米国:
不参戦だが工業力世界一
。
英日が海を支配するのは容認できない。
• イタリア:
戦勝国だが不満と財政難。
共通認識:
「このままでは次は軍拡競争で破滅する」
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開催概要
• 名称:ロンドン海軍軍縮会議
• 期間:1922年末〜1923年夏
• 開催地:ロンドン
• 主導:英国
• 実質交渉軸:英・日・米
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条約の核心:主力艦保有比率
決定された比率
米5:英5:日4:仏2:伊2
(主力艦=戦艦・巡洋戦艦の総トン数)
この比率の意味
• 米国:
「英と同等」を確保 → 面子と将来余地。
• 英国:
伝統的覇権は放棄するが、
同盟国日本が僅差で続く形に満足。
• 日本:
史実の“3”から大躍進。
**「英米に次ぐ第三海軍国」ではなく
“英米と並ぶ準第一級海軍国”】【
• 仏伊:
地中海大国として最低限の地位。
日本国内では:
「八割海軍」=大勝利
と歓迎される。
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艦種別制限
◆ 主力艦
• 基準排水量:35,000トン以下
• 主砲:16インチ以下
• 建造凍結期間:10年
◆ 空母(史実より重視)
• 航空戦の可能性が議論され:
• 各国に総トン数枠を設定。
• 日本は:
• 英と同様、比較的高い枠を確保。
欧州派兵で航空支援の重要性を学んだ
日本海軍の主張が通る。
◆ 巡洋艦・駆逐艦
• 総トン数制限は設けるが、
• 主力艦ほど厳しくない。
• 対潜戦の経験から:
• 駆逐艦・護衛艦は比較的自由。
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基地・要塞制限条項
史実では太平洋の現状維持が盛り込まれましたが、
この世界線では:
• 米国が:
• フィリピン・グアムの強化制限を要求。
• 日本が:
• 「自国周辺の防衛は主権問題」と強硬。
妥協として:
新規の大規模要塞建設は禁止
ただし既存施設の近代化は黙認
結果:
• 日本:
• 南洋・台湾・朝鮮の整備を継続可能。
• 米国:
• フィリピンの近代化も可能。
相互不信を残した曖昧条項。
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四カ国条約は不成立、日英同盟維持
不成立理由
• 英国:
• 日本との血盟同盟を解消する意思なし。
• 日本:
• 米国主導の多国間枠組みを警戒。
• フランス:
• 極東への関心薄。
• 米国:
• 孤立主義で同盟網に深入りしたくない。
結果:
史実で日英同盟を解消した四カ国条約案は流産。
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新・日英同盟(1923年改定)
条約と同時に:
• 相互防衛義務の再確認。
• 極東・インド洋での協力明記。
• 海軍ドクトリン・演習の常設化。
• 情報・暗号共有。
本質:
**「英帝国の東の柱=日本」**という地位の公式化。
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その他の条項
• 毒ガス・無差別攻撃の非難宣言。
• 潜水艦戦の制限原則(実効性は弱い)。
• 紛争は協議で解決するとの理念条項。
理念は高いが:
拘束力は限定的。
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各国の反応
日本
• 世論:
「欧州で血を流した成果だ」
• 海軍:
「これで英米と対等に戦える基盤ができた」。
協調派が優勢。
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英国
• 安堵:
• 財政負担軽減。
• 日本が頼れる同盟国。
• ただし:
• 米国との距離感に不安。
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米国
• 表向き成功。
• 内心:
「英日ブロックを固定化してしまった」。
後に:
米独接近の心理的伏線。
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フランス
• 海軍では満足。
• だが:
• 欧州安全保障が別問題として残る。
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イタリア
• 不満:
• 「大国扱いされていない」。
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ドイツ
• 海軍制限を再確認され、
• 屈辱感を強める。
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条約の歴史的意味
ロンドン軍縮条約は:
成功した点
• 海軍軍拡競争を停止。
• 戦後財政を一時安定。
• 英日協調体制を制度化。
限界
• 米国が秩序の外側に近い。
• 陸軍・空軍は対象外。
• 不満国(独・伊・後の米)を残す。
本質:
**「英日仏の海洋秩序」**の成立であり、
同時に
「米独という外部勢力」を生む体制。
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総括
この世界のロンドン軍縮条約は:
• 比率:米5:英5:日4:仏2:伊2
• 四カ国条約は不成立。
• 日英同盟は強化。
• 英日仏ブロックの海洋支配を固定。
そしてそれは:
1920年代の安定と、
1930年代以降の新たな対立の“種”を同時に生む
という、典型的な戦間期秩序になります。




