1938年・米独協商(Amerikanisch-Deutsches Abkommen)
1938年 米独協商の成立
1. 背景:二つの“締め出された大国”
米国の立場
• WWI不参戦 → 欧州秩序形成に不関与。
• 結果:
• 英仏日の帝国特恵ブロックから排除。
• 世界恐慌後:
• 輸出市場と投資先を渇望。
• 世論:
• 孤立主義優勢。
• だが:
「戦争は嫌だが、商売はしたい」。
ドイツの立場
• 講和は緩いが:
• 経済的には英仏日圏に締め出され孤立。
• ナチ政権(1933〜)は:
• 包囲打破と大国復帰を国家目標に。
• 再軍備は進むが:
• 石油・食料・外貨が慢性的に不足。
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“政治的孤立の米国”と
“経済的孤立のドイツ”の利害が一致。
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2. 交渉の始まり(1937年)
非公式ルート
• 米金融界(NY銀行団)と独経済省の接触。
• ドイツ側窓口:
• 経済相シャハト。
• 米側:
• 大手銀行・石油企業・穀物商社。
テーマ:
• 輸出入拡大
• 融資再開
• 為替・決済の円滑化。
政治的接近
• ベルリン駐在米大使が:
• 「独は英仏日秩序への挑戦者」と本国に報告。
• 国務省内で:
• 「独と関係を結べば、英仏日に対抗できる」論が台頭。
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3. ワシントンの判断(1937末〜1938初)
ルーズベルト政権(この世界でも就任想定)は:
• 公的には:
• 中立・平和外交。
• 内部では:
• 英仏日の経済閉鎖への不満
• ソ連への警戒
• 独の“反英仏日”姿勢の利用価値
を評価。
結論:
「軍事同盟でなく、
経済協商+政治的善意中立なら許容できる」
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4. ベルリンでの交渉と妥結(1938年夏)
ドイツの姿勢
ヒトラー政権は:
• 米国を:
• 「将来の敵ではなく、
英仏日に対抗する“第三極”」と位置づけ。
• 要求:
1. 米国の対独非干渉
2. 貿易・金融ルートの保証
3. 外交的承認
米国の姿勢
要求:
1. 米資本の中欧・東欧進出権
2. 独による米権益の保護
3. 独が米州に不干渉を約束
4. 大西洋航路の安全
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5. 協商の内容(1938年9月調印)
通称:
「ベルリン=ワシントン協定」
政治条項
• 相互に:
• 内政不干渉。
• 相手が関与する紛争に原則中立。
• 米国:
• 欧州紛争で対独武器禁輸を適用しない(一般中立法の範囲で)。
• ドイツ:
• 米州での政治・軍事活動を行わない。
経済条項
• 米独間の:
• 最恵国待遇。
• 米銀行団:
• 独政府・企業への中長期融資再開。
• 米企業:
• ドイツおよび中欧での:
• 石油精製
• 自動車
• 化学・電力
投資を保障。
• 決済:
• ドル建て取引の拡大。
海上条項
• 米商船:
• 独が関与する戦域でも攻撃対象としない。
• 大西洋航路の:
• 相互尊重。
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軍事同盟ではないが、
事実上の“善意中立+経済同盟”
。
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6. 発表と世論
米国
• 政府発表:
「平和と通商のための協定」
• 孤立主義者:
• 「欧州に関与しない証拠」と歓迎。
• 反ファシズム派:
• 「独裁国家への宥和」と批判。
• だが:
• 経済回復期待が勝る。
ドイツ
• 宣伝:
「世界最大経済国が
新ドイツを承認した!」
• 国民の支持拡大。
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7. 国際的反応
英仏日
• 強い警戒と不満。
• しかし:
• 米国と直接対立できず。
• 評価:
「独に“外交的盾”を与えた」
ソ連
• 激怒:
「資本主義列強がファシズムを育てている」
• だが:
• 対抗手段なし → 孤立深化。
イタリア
• 独が:
• 米と結ぶことに複雑な感情。
• しかし:
• 反英仏日の共闘で追随。
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8. 協商の戦略的意味
ドイツにとって
• 西側全面戦争の可能性低下
• 石油・食料・資金の確保
• 「正統な大国」としての承認
• 東方進出への自信
米国にとって
• 欧州への“平和的足場”
• 英仏日の経済圏に楔
• 共産主義封じ込めの間接手段
• 参戦せず影響力拡大
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9. その直後の世界
1938年末:
• 米資本が:
• ドイツ・オーストリア・チェコへ流入。
• ドイツ経済:
• 外貨不足が大きく緩和。
• 軍需生産が加速。
• 英仏日は:
• 危機感を強めつつも分裂。
ヒトラーは側近に語る:
「今や西は静かだ。
東へ道は開かれた」
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総括
この世界線の1938年米独協商は:
英仏日ブロックに対抗する
米国の欧州進出の橋頭堡
ドイツの東方進出を可能にする外交的安全網
として成立し、
その瞬間、
ヨーロッパの運命はほぼ決まった
と言えるほどの戦略的転換点になります。




