第三話:破滅のラブレター③
彼は顔を手で覆い、目の前の惨状に「おぁぁ……」と情けない声をあげ、膝から崩れ落ちました。
嫌いな女子に、自分が好意を抱いていると勘違いされている惨状。まさに地獄絵図です。
「私のこと好きなの~?笑笑」と、うずくまって絶望している上原に次々と追い打ちをかけていくうなぎ。「本当は好きだったんだ~?笑」「照れなくていいよ?」「そっけない態度とってたけど、ツンデレだったの?」
その一言一言が、確実に上原のライフを削っていました。彼のライフはもう0かと思われたそのとき、上原は立ち上がり、苦し紛れの言い訳を始めました。
直訳すると、それは小林が書いた云々という話でした。 紛れもない真実です。
しかし、彼女の耳には効くどころか逆効果でした。
上原は照れているのだと解釈し、ますます告白に真実味を持たせる結果となってしまったのです。
真実は一つしかありませんが、事実は人の数ほどあります。
上原はもう挽回できないことを悟ったのか、隣で腹を抱えて息ができないほど爆笑している私のほうを振り返りました。
そして「オイイィィィ!!!」と両肩を激しく掴んでゆらし、逃げるようにその場を立ち去りました。
それ以降、なぎは上原とすれ違うたびに「あ~私のことが好きな上原だ~!」と大声でのたまうようになり、廊下には「オイイィィィ!!!」という声が響き渡るようになりました。
ご愛読ありがとうございました。続編も投稿していきますので、是非ご覧ください