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燃ゆる太平洋   作者: 銀河乞食分隊
発火する太平洋
36/56

損傷艦修理状況

損傷艦が多数MI作戦に参加しているので。

大破   赤城 霧島

中破   加賀 龍驤 翔鳳 那智 摩耶 阿武隈

     秋月 初霜、夕暮


 赤城の後部は酷いものだった。火災の熱で鋼材は焼けて溶け変形している。熱によるゆがみも後部の上甲板全体に渡っている。中央エレベーターの支柱も使い物にならない。艦齢も古く平時なら確実に廃艦の道だろう。

 どう修理するかが、問題となった。元通りにするとなると一年半くらい掛かりそうだ。二階建ての格納庫が面倒だった。ついでに言うと3段空母からの全通甲板化なので、名残も有る。

 結局、格納庫は1段。格納庫天井は前部の高さに合わせることになった。前部格納庫は前部エレベーターまで撤去。前部下段格納庫の上に射出機取り付け用の空間を設けた。飛行甲板の高さが2メートル近く低くなった。

 1段化に伴う搭載機数の減少には中央エレベーターを付けないことで少しでも減少を防いだ。工期の短縮という意味もある。

 艦橋は従来飛行甲板の撤去にともない撤去。右側前部に移動した。

 飛行甲板の防御が問題にされた。従来の装甲板だと厚みが有り重量的に問題がある。甲種装甲板30ミリとすることで、大重量にならずに防御力を持たせることが出来た。格納庫1段化と密接に関係している。元が重装甲巡洋戦艦であり、重量的な問題は少なかった。少しトップヘビー気味なだけだ。風圧面積は確実に減っているので強風時の操艦は楽になると思う。

 蒼龍級から採用された舷側装甲シャッターを装備した。

 後部格納庫と装甲飛行甲板の間は、天井が低いものの居住区や食堂に充てられた。様々な小物物資を上げるための小型エレベーターが複数付けられた。人員使用は厳禁である。

 この狭い居住区は通風を強化している関係で涼しいと評判で、右舷煙突後部居住区画の人員を優先して引っ越した。天井が低いので、移動時は鉄帽着用が義務づけられている。

 天井には、海水を走らせる配管が縦横に張り巡らされ夏季の甲板過熱対策としている。この配管は同時にスプリンクラーの配管でもあった。

 射出機は呉式七号六型を1基、右舷側に設置。全備重量6トンの機体を合成風速25ノットで発艦させることが出来た。2基の予定だったが製造が間に合わず1基になった。この1基も建造中の尾張級空母二番艦紀伊からぶんどったものだ。

 高角砲や機銃、高射装置や機銃指揮装置も後方の物は駄目で交換となった。飛行甲板が低くなり生き残った対空砲火も低い位置に移設された。

 高射装置は零式を奢りたいところだが、新造艦が優先され左右各1基装備されたのみだった。

 赤城の対空兵装は

八九式12.7センチ連装高角砲8基16門

高射装置は零式2基・三二号電探2基

 艦橋トップに右舷用零式高射装置が鎮座した。

九四式高射装置に四三号電探を組み合わせた物が2基

 高角砲を2基1群として制御する。

機銃

ボフォース40ミリ機銃連装8基

機銃指揮装置は零式、三五号電探仕様。

 機銃を2基1群として制御する。

25ミリ3連装機銃8基

機銃指揮装置は従来の物だが、四五号電探で目標を同定する。

 機銃を2基1群として制御する。

九九式三号一型20ミリ機銃  単装16基

手持ち照準  

25ミリ機銃は40ミリと20ミリの間を補完する機銃として残された。



 加賀は何故か前方に2発爆弾を受け前部エレベーターから前が残骸になっていた。赤城と違い火災発生が無かったので、これで済んだ。

 加賀も赤城同様に装甲化しようとしたら、赤城ほど損傷が酷くなく早い前線復帰を望まれ通常修理となった。格納庫は二階建てのままで射出機は無い。

 蒼龍級から採用された舷側装甲シャッターを装備した。

 対空兵装は赤城同様になった。



 龍驤は飛行甲板は無事であった。魚雷が効いた。被雷は1本だが高速で舵を切っている内側に受け、水圧で破孔が拡がってしまった。龍驤は超合金で作られた初期の艦で、丁寧な工作と超合金でなかったら危なかったかも知れない。

 射出機は重量問題から積まれない。ただでさえ不安定な艦である。

 蒼龍級から採用された舷側装甲シャッターを装備予定。

 意外に重傷で那智同様後回しにされている。ついでに対空砲火の最新化を図る。修理完了予定は18年9月下旬。

 特設空母が18年春には10隻以上就役しており、空母に余裕があったからだった。特設空母がいなければ、突貫工事だっただろう。



 翔鳳は飛行甲板に爆弾1発。後部エレベーターに命中した。蒼龍級から採用された舷側装甲シャッターのおかげか、そんなに酷い穴は開いていない。エレベーター周りは修理に時間が掛かり中破判定だった。

 射出機は呉式七号六型を1基、右舷側に設置。



 那智は潜水艦による被雷。3発命中したが1発は不発。中破と言うが大破に近い。運悪くドックが長期間開いていないために少し修理をしては係留されと、ドック入りを繰り返している。

 修理完了見込みは18年年末。

 大型巡洋艦は伊吹級軽巡4隻が就役しており、面倒な修理は後回しにされたのだった。



 摩耶は3番砲塔損傷だった。砲塔装甲は超合金丙の25ミリ厚だったが、50ミリ相当では重巡の20センチ砲弾を防げなかったようだ。

 3番砲塔という場所なので砲塔を撤去し、八九式12.7センチ連装高角砲を2基積んだ。



 秋月は後部指揮所を急降下爆撃で吹き飛ばされ、その余波で3番砲塔が粉砕され4番砲塔も作動不能になってしまった。着弾したのが後部指揮所でも3番砲塔に近い場所だった。もし煙突側だったらマストが間にあるが下に4連装発射管があり、誘爆していたかも知れない。指揮所の再建と後部指揮所には零式高射装置を搭載した。艦橋トップの高射装置はそのままだが、試験的に四十番台の射撃管制電探を積んだ。秋月と照月は零式高射装置が出来た頃にはすでに工事が相当進んでおり、積まれていなかった。長10センチ連装高角砲は2基とも新品にした。艦長から発射管よりも機銃をと言う要望が出て、発射管と次発装填装置と予備魚雷を撤去。水雷方位盤も撤去された。代わりにボフォース40ミリ機銃連装2基と25ミリ3連装機銃2基が積まれた。



 初霜はおそらく重巡の20センチ砲弾が艦腹極至近弾となり、水中爆発で水線下の舷側に大穴が開いた。初霜も初期の超合金使用艦で丁寧な工作と丙種超合金で作られていた。普通の鋼板ではもっと大きな開口部が出来、沈んでいたかも知れない。 

 ごく至近距離での水中爆発の例として、艦政本部預かりになっている。再就役はいつになるのか不明である。


 夕暮は、敵軽巡と撃ち合い素直に負けた。夕暮も初期の超合金使用艦で丁寧な工作と丙種超合金で作られていた。普通の鋼板ではもっと大きな開口部が出来、沈んでいたかも知れない。超合金の被弾後として、艦政本部預かりになっている。再就役はいつになるのか不明である。



 阿武隈は、水雷戦隊の先頭に立って突撃し敵の目標になってしまった。敵重巡が四戦隊と撃ち合っていたので、軽巡以下の砲弾を多く浴びた。幸い艦橋は無事だったが、主砲は6基使えなくなっている。

 主砲の代わりに、短10センチ高角砲を単装5基装備した。装備場所は1番、3番、4番、7番で、2番、5番、6番の砲塔跡にはボフォース40ミリ機銃連装1基が座った。九九式三号一型20ミリ機銃6基と25ミリ3連装機銃4基も増設された。

 零式高射装置の順番待ちで、18年8月に修理完了した。



伊吹級軽巡

 概要としては最上級軽巡時代の2番砲塔を無くして全長を縮めた。少し水雷防御を充実させたため艦幅が拡がっている。そのため同じ機関で排水量が減っても速力は上がっていない。

 重巡に改装された最上級の15.5センチ3連装砲塔が再利用の当てもなく多数保管されており、有るなら使おうと言うことでこうなった。

 新造艦で射撃指揮装置は全て零式が装備された。



次回更新 06:00

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