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燃ゆる太平洋   作者: 銀河乞食分隊
変わる世界
16/56

閑話 水兵は夜戦の夢を見るか

暑苦しい時には夢見も悪くなるというもの。

丑三つ時更新。

 ソロモン海



 先手を打ったのは水雷戦隊だった。電波の反射を頼りに敵へと向かう。

 

「電探長。敵艦の艦種までは判らないのだな」

「はい。戦艦2隻を含む艦隊と言うことは判ります」

「ふむ。艦長、敵に指向出来る主砲全門吊光弾用意。最大射程で敵後方へ扇状に撃て。装填出来次第発砲して良し」

「はっ。吊光弾、敵後方へ最大射程で撃ちます」

「頼む」


 5分後。第三水雷戦隊旗艦那珂から6発の吊光弾が敵後方に向けて発射された。



「那珂発砲」

「何?」


 比叡艦橋では突然の発砲に驚いている。比叡は敵水雷戦隊との交戦で中小口径弾多数を被弾。通信も電探も作動不能だ。舵取り機室への被弾は致命的だった。舵がやや取り舵のところで動かなくなってしまった。現在は左右スクリューの回転を調整することでかろうじて直進している。速力も出ないし、もちろん砲戦が出来るような直進など出来ない。砲戦などしても弾がどこかへ着弾するだけだ。

 オルジスでの通信は出来るが那珂は遠く、火災を起こしている艦の明るさで読み取れないこともある。



「敵戦艦は新型」

「新型か」

「比叡が逃げ切れません」

 

 ブーゲンビル島南島海域からラバウルに向かって航行している。敵は針路の横から近づいてくる。



「霧島、増速します」

「霧島は何をする気だ」

「霧島よりオルジス。読みます『我、敵戦艦と雌雄を決せんとす』以上」

「勝手なことを」

「司令官。霧島に任せましょう」

「本艦がこれでは致し方ないか」

「信号手。霧島に返信「必勝を信ず」」


「参謀長。損傷艦を比叡が護衛する。比叡に続くよう信号を出してくれ」

「了解しました」


 

「敵戦艦乙、発砲」

「乙がか。甲はどうしている」

「発砲しません」

「参謀。何か故障でもしているのかな」

「あり得ますな。なら良い機会です」

「うむ。艦長。増速、前進一杯。進路このまま」

「機関、増速。前進一杯。舵このまま」

「信号手、通信。オルジスと無線で「我に続け」」

「「了解」」



(おい。そっちへ向かうと敵の魚雷が)

(ああ。霧島に砲撃が集中している)



 ブハッ

 ひどい汗だ。あれは夢か。ひどい夢を見た。

 俺は駆逐艦の見張り員。1等水兵だ。

 周りの奴らもハンモックでうなされている。

 もうこんな暑い海域は嫌だ。



毎日暑いですね。

皆さん健康に気をつけて、悪夢など見ませんように。


次回更新 06:00



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