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どうにでもな~れ☆

「…………」



 そう、俺と北條がおっ始めた時に部屋にいた高宮は出て行かなかった。出るタイミングがなかったのもあるが、部屋の隅でずっと俺達を見ていた。なんなら俺達を見ながら一人でシていた。きゃー高宮さんのえっちー!


「っ………!」


「ぐっ…」


 思わず呻き声が出るくらい強く締め付けてきやがった…!ほんとのことじゃん。


「あの…高宮先輩?今は私とせんぱいのピロートークタイムなので邪魔しないで欲しいんですけど?」


 俺が高宮に意識を向けたせいか北條がご機嫌斜めだ。


「ヤってる最中は邪魔しなかったんだからいいじゃん…」


「余韻が台無しですよ…」


 はぁ…と北條が溜め息を吐いている。


「というかそろそろ離してくれない?御立派なものが背中で潰れててまた大きくなりそうなんだけど?」


 動き封じられてる上に全裸だから隠しようがないんだが?


「……次は私としよ?」


「正気か?」


 散々襲われそうになってたのに何言ってんのこの子?発情でもした?


「私がする前はいろいろ言っていたクセにどういうつもりですか?」


 北條が明らかに不機嫌だ。怖い。


「…私だって捨てられたくない」


 高宮は俺の背中に顔を押し付けてるので表情は見えない。だがその声は震えていた。


「北條さんは自分が捨てられるかもしれないって言ってたけど、私も同じことを考えてた。今まで四人で生き残ってきたところに私という不純物が入り込めるか分からないし、篠崎君には迷惑ばかりかけてる。それなのに篠崎君と北條さんが関係を持っちゃたら私の入る隙がっ…!」


「だから私と対等な状態になろうと?」


「…うん」


「………」


「………」


「………」


 沈黙!圧倒的沈黙…!


 どうすればいいんだ…?


「…はぁ」


 現実逃避していると北條がため息を吐いた。


「せんぱい、高宮先輩と○ックスしてください」


「この状況で?」


 何言ってんだこいつ。あとはっきり言い過ぎじゃない?高宮は関係って濁してたのに…。


「ボカす必要ってあります?みんな分かっているのに」


 やだ、男らしい…。


「そんなことどうでもいいですからさっさとヤることヤってください」


「マジでやんの?」


「よく考えたらせんぱいを縛る鎖が増えることは悪いことではないかと」


「えぇ…」


「そもそもせんぱいが悪いんですよ!死ぬかもしれないのにあっちへふらふらこっちへふらふらと!残される側のことも考えてください!」


 まるで浮気を責められるダメ男のようだぁ。俺はいつからマダオになったんだ?


「無理して外に出る必要はないですよ?ここにいれば私や高宮先輩を好きにできるんですよ?外出なんて食料を調達する時くらいで充分ですよね?」


 後輩が俺を堕落させようとしている件について。つーか隣に晴人や斉藤さんがいるんだけど。気まずくない?


「向こうも同じ状態になるんじゃないです?ぐだぐだ言ってないでさっさとシてください。高宮先輩からも言ってくださいよ」


「篠崎君は私とするのは嫌?」


「嫌じゃないです」


 即答。男の本音なんてこんなもん。ヤれるならヤりたいわ。


「…じゃあシよ?」


 もうどうにでもな〜れ☆






「フッ、太陽が黄色いぜ…」


 結局あの後高宮として、その後もう一回北條とした。一晩で二人に手を出すとはこのリハクの目を持ってしても…!


 寝ている二人を起こさないようにしつつ、部屋を出てシャワーを浴びる。


「ついに手を出してしまった…。これからどうすっかなー」


 北條と高宮の体に溺れるのも退廃的でまた一興。死が身近になった世界の片隅で閉じこもって享楽に耽るのも幸せな終わり方の一つではなかろうか。本人達にとってはHAPPY ENDなBAD END。リトライできるなら一度は進みたい。


「あいつらは分かってんのか?」


 そのルートだと絶対に長生き出来ないことに。閉じこもっていれば確かに安全だろうが、そこから先がない。あらゆる面で安定していないうちに停滞を選べば遠くない未来に待っているのは破滅だ。




 エンディングにはまだ早い。


 

書き溜めなくなりました。不定期更新になります。

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