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救出はできたのかな?(他人事)

神様と邂逅した日から数日が経った。あれからは特に何事もなく過ごしている。俺や晴人は食料調達に外に出ているが怪我をすることもない。だが北條達は毎回心配そうにするし、戻ってくると常に側にいようとするようになった。そろそろ性欲が限界を迎えそうなんですが?この世界に来てから一度も抜いていないのでつらい。その内マジで襲いかかりそうだ。


「そう言えば魔物に囚われてた人達ってどうなったのかな」


 晴人がチェスの駒を弄びながらそう口にした。部屋に篭っている時間が長いので遊び道具もちょくちょく調達している。その度に北條に文句を言われるが。


「高宮さん達が助けに行くって言ってたけど救出できたのかな?」


 そう言いながらナイトの駒を置いた。


「さあな。仮に救出出来てたとしても何の犠牲もなしには出来なかったんじゃないか?」


 俺はそう言いながらビショップでポーンを狩る。


「そう?高宮さんなら上手いことやると思うけど」


 晴人のルークがポーンを狩る。


「まあ高宮の派閥だけなら上手くやるだろう。上原以外の高宮を慕ってる奴等とも合流しただろうし。だが正義感で助けに行く奴等ならともかく、助けたお礼目当ての奴等が結構多そうだしどうなるかな」


 クイーンでビショップを狩る。


「そのお礼も支払われるのかな?高宮さん達ならそんなことしなくてもいいって言いそうだけど」


 ポーンを進めてくる。


「それじゃあお礼目当ての奴等が納得しないだろ。そいつらにとっては危険を冒したのにただ働きだ」


 ナイトを進める。


「そうなると揉めそうだね」


 ビショップを進めてくる。


「揉めはするだろうが生徒会長もいるだろうし、多少の被害で済むかもな。高宮や生徒会長の派閥は基本スペックが高そうだからお礼目当てのバカ共を抑えることはできるんじゃないか?」


 ナイトでポーンを狩る。


「わかんないよ?スペックが劣っていても格上に勝つこともあるんだから」


 ポーンでクイーンを狩られる。


「そうだな。まあ俺達は助けに行くわけでもないし関係ないが」


 ポーンでキングの逃げ道を塞ぐ。チェック。


「あらら、クイーンに気を取られ過ぎたかな」


 晴人がそう言いつつチェス盤を片付ける。まだチェックメイトではないが巻き返せないと判断したようだ。


「物騒な話しをしてますね。というかドライ過ぎません?」


「…晴人先輩達って高宮先輩と同じクラスでしたよね?」


 本(サルでも分かるチェスルールブック)を読んでいた北條と斉藤さんが責めるように言う。


「確かに同じクラスだし、他のクラスメイトよりはよく話すよ。高宮さんは誰とでもよく話すけど」


「目の前で困ってたら助けるだろうが、危険になるかもしれないのにわざわざ出向いたりはしないな」


 というか君達は俺達に危険を冒してほしくなかったんじゃないのか?


「そうですけど…高宮先輩にはお世話になったことがあるので犯されるかもしれないと聞くと思うところが…」


 高宮は後輩の面倒も見ていたらしい。


「そもそも可能性の話だ。争い自体が起きるか分からんぞ。冷静に考えれば人同士で争うことにメリットなどないことに気づくだろうし」


「というか既に何人も見捨ててるんだから今更だよね」


 晴人の言う通り俺達は優先順位をはっきりさせている。この四人が最優先で余裕があれば他の人も助けるというスタンスだ。


 理解はしているので北條達はそれ以上は何も言わなかった。


「まあ高宮には俺達も世話になったからな。余裕があったら手を差し伸べるくらいはするさ」




 赤の他人は知らん。各自で頑張ってくれ。






 

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