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神からのご褒美

「何に補正がかかったか知ることはできるのだろうか?私なら指揮系統のものだと思うのだが」


 あっ、生徒会長が神様に訪ねてる。というか自信満々だな。これでカリスマとか統率力じゃなくて詐術とか演技力に補正がかかっていたら大爆笑なんだが。


「なんだ?何に補正がかかったか知りたいのか?自分の生き残った要因くらい自分ならよく分かるだろう?」


「いや、正確に把握したいので分かるようにして欲しい」


「クククッ、いいだろう。元の場所に戻す前に何に補正がかかったか分かるようにしてやろう。ここでしか確認できないがな」


「元の場所?」


「この空間に来る直前いた場所だ。そこの犯されてた女達ならゴブリンやオークの巣だな」


 その言葉を聞いて震えだしたり、取り乱す女子達。


「待ってよ!せめて別の場所にしてよ!」


「もう犯されるのはイヤ!」


「それは出来ないな。ここにいる貴様らは仮初の肉体に意識だけ引っ張ってきただけだ。肉体は元の場所になる。だからここで身だしなみを整えても無意味だ。ああ、この空間にいる間は時間が経過していないから安心しろ。」


 その言葉に絶望の表情を浮かべる女子達。


「なんとかならないの…?」


「ならん。だがこの場には他の人間もいる。巣の場所を教えて助けに来てもらったらどうだ?」


 そう言って悪い笑顔を浮かべる神様。楽しんでんなー。だがその言葉を聞いて必死になる女子達。


「助けて!校門から出て右の方にある洞窟にいるの!」


「私は裏口から出て正面の方の洞窟!助けてくれたらお礼するから!」


「私も体でお礼するから!化け物に犯されるよりマシよ!」


「お願い!」


 口々に自分のいる場所を伝える女子達。お礼という言葉に反応する男子達。だが魔物の巣だということを思い出して躊躇しているようだ。


「生徒会長としても見逃せん。救出に協力してもらえないだろうか」


「私からもお願い。みんなで協力して助けに行こうよ」


 出たな聖人高宮。みんなから人気の高宮にお願いされ、助けに行こうとする者がチラホラ。頭下半身どもが。

 生徒会長?効果あった?


「クククッ、美しい光景じゃないか。そんな貴様らに我からご褒美をやろう」


 このタイミングでくれるの?


 神様が腕を振ると全員の体が光に包まれる。とりあえず自分の何に補正がかかったか意識を向けてみると頭の中に自然と浮かんできた。



 【ゲーム脳】


 現実とゲームの区別がついていない。精神耐性上昇



「……」


 確かにさぁ…いろいろネタに走ったりしたよ?でもここは現実だと区別はついてるよ?端から見たら区別がついてないように見えるんですか?凹む。


 つーか精神耐性って…。俺が生き残った要因は現実をゲーム的に捉えていたせいで精神的に余裕があったってことか?ただの狂人じゃん。



「てめえ役者ってなんだよ!」


「八方美人ってあなた誰にでもいい顔してたの?」


「噓八百ってお前嘘ばっかついてたのか?!」



 俺が凹んでいるとあちこちから罵声が聞こえる。自分のだけじゃなくて他の人のも分かるのかよ。友情崩壊待ったなし。神様がすごく楽しそうだ。わざと他の人のも分かるようにしたな。


 さっきまで協力して救出しに行こうと話していた人達からも罵声が聞こえる。協力できるのか?


「そろそろいいか?元の場所に戻すぞ」


 少しすると唐突に神様がそう言った。いきなりだな。まだろくに観察できてないんだが。

 俺はせめてヤバそうな奴だけでも覚えておこうと辺りを見回す。


「先程も言ったが我は貴様らがどのような行動をしようがそれを認めよう。人と助け合うも良し、人を貶めるのも良し。元の世界の常識や倫理に囚われる必要はない。己が本能のままに考え、行動し、生きて、そして死んでゆけ」




 

 

ゲーム脳の意味が本来と違いますが、ここではこの意味で使わせてもらいます。

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