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【D.S.(ダズ)】~過去と未来の交わる場所~  作者: 月代ユカイ
読者の皆様に感謝を込めて
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特別編4【大地と空音】ある日のデート(後編)

テーマパークデート編( ≧∀≦)ノ

そして翌日。俺達は家の前の交差点で待ち合わせをすると……エンゼルランドへと向かった。


空音(そらね)は可愛らしいワンピースに薄めのコートを纏っていた。俺はと言うと……。


「えっ?(だい)ちゃんこれブランド物じゃん。こんなにお洒落する人だったっけ?」


「まあ……デートだからな。これぐらいはしないと」


同じ(てつ)は二度踏まない。お洒落は自分の基準では無く周りからの見た目。真優美(まゆみ)の時はこれで失敗したからな。


空音(そらね)は苦手な物とかあるか?」


「ううん。特には無いよ」


よし、プランAだ。


「この時間だとこのジェットコースターの待ち時間が短いからこっちが先だな。その後はこっちのアトラクションに乗って……その次は……」


(だい)ちゃんって結構綿密に計画を立てるタイプなんだね……なんか意外」


「ははは……プランニングは男の役目だからな。効率良く回って色んな乗り物制覇しようぜ」


「うん、ありがとう。(だい)ちゃん頼りになるぅ」


同じ(てつ)は二度踏まないパート2。プランニングは男の仕事。真優美(まゆみ)の時は散々だったからな……。

その後、ジェットコースターに乗る大地(だいち)空音(そらね)


「キャーキャーキャー……(だい)ちゃんこれ凄いよ……キャーキャー」


「へへへ……余裕余裕。ほらっ……もうすぐ最後のクライマックスG(ジー)が来るぞ」


「クライマックスG(ジー)?あわわわ……私、こっ恐い……恐いよぉ……キャーーーー」


カシャッ


ジェットコースターを乗り終える二人。


「いやー思ってたより凄く恐かったけど楽しかったね……えっ?嘘?」


ジェットコースターの落ちる所を撮影した写真が掲示されていたが大地(だいち)は手を広げてしっかりと決めポーズを決めていた。


「あはは……(だい)ちゃん本当に余裕だ……凄い」


続いてシューティングアトラクション


「えいっ……えいっ……えいっ……これ結構難しいね。(だい)ちゃ……ええぇぇーー?」


見事に全ての的を撃ち抜く大地(だいち)


「楽勝だろ。これくらい」


(だい)ちゃんって……凄すぎる」


勿論これは元の世界で真優美(まゆみ)に鍛え上げられた成果であった。この時の大地(だいち)の記録がベストスコアを更新した事は言うまでもない。アトラクションも一段落し、昼食の時間。


「じゃあちょっと早いけど、混んじゃうから昼食にしようか?何か食べたい物ある?」


「えっと……昼食は……作って来たんだ。はい」


空音(そらね)の鞄、結構大きいと思ってたらお弁当が入ってたのか。


「ありがとう。じゃあ、そこのベンチで食べようか」


「うん」


ベンチに座り空音(そらね)のお弁当オープン。

中身はサンドイッチ、おにぎり、唐揚げにサラダ等、盛り沢山であった。


「では……いっただきまーす」


空音(そらね)の作ったお弁当はどれも美味しくて舌鼓(したつづみ)を打った。


空音(そらね)、美味しいよこれ。あっこっちも最高。あっこれも美味しい……」


空音(そらね)はニコニコしながら食べている。


「あぁー食べた食べた。美味しかったよご馳走様でした」


「ふふふ……どういたしまして」


それからは食後と言う事もあり、緩やかなアトラクションをいくつか乗り、最後に大観覧車へと乗り込む。


時間は夕暮れ。本当は夜景も綺麗なんだけど帰る時間を考慮するとここで終わりにするのが無難だろう。


「ほら(だい)ちゃん……夕陽が綺麗だよ」


「ああ。綺麗だな」


外を見ながら空音(そらね)が嬉しそうに言う。徐々に上がって行く観覧車。


(だい)ちゃん今日はありがとう。凄く凄ーく楽しかったよ」


「おぅ。また来ようぜ」


観覧車が最高地点へ到達するちょっと前から急に空音(そらね)が話すのをやめて俺をじっと見つめてくる。俺も同じ様にじっと見つめる……会話が無くずっと見つめ合う二人。


「…………」


「…………」


サラサラできめ細かな髪に大きな瞳。ぷっくりと柔らかそうな唇と空音(そらね)の優しい笑顔。俺は空音(そらね)の全てに魅了されていた。


観覧車が最高地点へ到達した時に(おもむろ)に目を閉じて顔を前に出す空音(そらね)。このシチュエーションはまさか……キッキス。


予想外の事態に慌てふためく大地(だいち)であったがここで観覧車が突然止まり、アナウンスが入る。


「只今、緊急停止ボタンが押されました。安全を確認次第運転を再開致しますので暫くお待ちください」


「いやー。参ったな空音(そらね)イキナリ止まっちゃって……」


「…………」


俺が話を反らそうとするが空音(そらね)はいっこうに話をせずに目を瞑ったまま動かない。まさか寝てるとか?いやいや顔を前に出したまま寝る奴なんている訳が無いか。


そんな事を考えていると空音(そらね)の目に涙が溜まっているのに気付く。


そうか……そうだよな。空音(そらね)も中学生ながらに勇気を振り絞ってこうやって待ち構えてる訳だ……悲しませちゃいけない。


そう思いながら……緊張でプルプルと震える手を抑えそっと空音(そらね)の頬に手を当てた。


空音(そらね)……大好きだよ」


「私もよ……(だい)ちゃん」


チュッ


夕陽をバックに俺達はキスをした。これが空音(そらね)とのファーストキス。空音(そらね)の唇は驚くほど柔らかく穂のかに甘酸っぱい苺の味がした。(さっき飲んでいたストロベリーバナナスムージーの影響だとは思うが……)


夕焼けの色が空音(そらね)を照らし、少しだけ頬を赤らめているように見える。


「ふふふ……ありがとう(だい)ちゃん。(だい)ちゃんオレンジ味」


「へへへ……そう言う空音(そらね)は苺味だったけどな」


俺達が照れ笑いをしていると観覧車復旧のアナウンスが流れた。


「おっ?やっと復旧するみたいだぞ良かったな」


全身が熱気だっている俺が言うと空音(そらね)は……。


「私はもう少しこのまでも良かったかな……なーんてね……ふふふ」


この幸せがずっと続きます様に……そう願わずにはいられない大地(だいち)であった。


そのまま夕食を済まし家へと向かう空音(そらね)大地(だいち)。交差点の分かれ道で空音(そらね)大地(だいち)に言う。


「今日はありがとう。本当に楽しかったよ。(だい)ちゃんのシューティングの上手さには驚いたけどね」


「ははは……まああれはマグレマグレ」


「またデート誘ってね。いっぱい思い出作ろうね……ふふふ」


「おぅ……絶対誘うからさ。楽しみにしててよ」


そう言うと別れて行く二人。


結果的にはその数日後に最強グールや仮面道化の出現により、世界は崩壊へと進み……次回のデートが実現する事は無くなってしまったのだが……この時の思い出は二人の心に鮮明に残るのであった。


番外編(大地(だいち)空音(そらね))fin

これにて罪滅ぼしは解決(ノ_<。)


このあと起こる壮絶なラストにも耐えられる事でしょう( TДT)


次回は意外な人物の番外編です( ̄▽ ̄)

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