特別編2【朱音】もう一つの結末(後編)
どんな結末が待ち受けてるのかな(ノ_<。)
翌日になり、空音とのやり取りが自分の勝手な夢だったのか朱音の為に空音が出てきてくれた事なのかわからないでいた。
朝食を食べ終わると朱音は折鶴中学校、海岸、城址公園、そしてハゲ鷹山と思い出の地を歩く事にする。
思い出されるグールとの死闘や仮面道化との戦い。学校のみんなと楽しく過ごした時間。
どれも鮮明で夢と呼ぶにはあまりにも現実的過ぎて心が苦しくなった。お昼を過ぎたころ実家に戻るとお婆ちゃんが慌てた様子でやってくる。
「あっ朱音ちゃん。さっき電話があってね大地の……お父さんの脳波に動きがあって、もしかしたら目が覚めるかも知れないって……」
えっ?お父さんが?急いで病院へと向かう朱音。病室に着くとお母さんとお兄ちゃんが既に到着していた。
「あっ朱音。さっきまで脳に動きがあったみたいなんだけど、今はまた落ち着いてちゃったみたいでね。ごめんね……なんか期待させる様な事を言っちゃって……」
母とお兄ちゃんが先生に呼ばれて病室を出る。
お父さんと二人で対峙する私。
「ねぇ……お父さん聞いて。私ね、昨日、空音ちゃんにあったんだ。夢なのかも知れないけど……私にありがとうって言ってくれて……グスッ……私、凄く救われたんだよ……グスッ」
泣きながら語りかける朱音。
「それでお父さんの事を宜しくって言われて……私……私……」
ビュー……どこからか病室へ風が入くる。するとどこからか声がする。
(朱音ちゃんお待たせ、もう大丈夫。お父さんすぐに目が覚めるよ)
「空音ちゃん?」
次の瞬間お父さんにつけられている機材が慌ただしく動き出す。先生やお母さん達も飛んできて……静かに目を開く父。
「あなた……私がわかる?……あなた……ううぅぅ……」
泣きながら父を抱き締めるお母さん。お兄ちゃんも横で泣いている。
「まっ……真優美?あれっここは?」
完全に意識の戻った父。主治医の先生も奇跡だって驚いていた。でも私にはわかっていたお父さんを救ってくれたのはきっと……。
「あっあれ?君は……」
お父さんが私の顔を見て言う。私も涙ながらに答える。
「グスッ……お帰りお父さん。私は……貴方の娘の朱音だよ……グスッ」
それから数ヶ月のリハビリを受け、お父さんが家に帰って来た。
「久し振りの我が家だ。懐かしいな」
お父さんは玄関で色んな物を見ては懐かしがっていた。
「ふふふ……貴方が事故で目覚めなくなってから大変だったのよ」
ねぇお父さん……お母さんは本当に大変だったんだよ。
「ほらっお父さんそんな所にいないで上がりなよ」
お兄ちゃんが懐かしんでいるお父さんを呼ぶ。
お母さんは家に着くなり、ご馳走の準備に取りかかり、お兄ちゃんはお父さんが寝ていた時の私達の写真や動画を準備していた。お父さんと二人きりになり、私が質問をする。
「ねぇお父さん。お父さんが寝ている間ってどんな夢を見ていたの?」
暫く間が空いてからお父さんが答える。
「ごめん。よく覚えて無いんだ」
お父さんの回答に少しガッカリとする私。まあ、私の行っていた過去の世界とは別な場所にいたみたいだし、仕方ないか……でも……これだけは伝えたいんだ。
「じゃあお父さん。富良野 空音さんって人……覚えてる?」
一瞬驚いた顔をしたお父さんが話す。
「空音はな。お父さんの幼馴染みで……お父さん大切な……初恋の人だったんだ。もう病気で亡くなってしまったんだけどな」
お父さんの目からは涙が溢れ落ちていた。きっとお父さんもずっと空音ちゃんの事を想い続けていたのだろう。その様子を見て私も泣いている。
「うん、知ってる。……きっとね……空音さんもお父さんの事が……グスッ……好きだったんだと思うよ私……グスッ」
私は過去の世界でお父さんと空音ちゃんが幸せそうな姿を……いっばい見て来たから……ずっと近くで……。
「でも何で朱音が空音の事を知ってるんだ?」
お父さんが私の事を不思議そうな顔して私を見てる。
「ふふふ……それは内緒だよ」
そんな話をしているとお母さんから声がかかる。
「朱音ぇーちょっと。ご飯準備手伝ってー」
「はーい。今、行くよ。じゃあ私、ちょっと手伝ってくるね」
「あっちょっと……朱音」
呼び止めようとするお父さんを振り切って私はお母さんの方へと向かった。
私と入れ違いでお兄ちゃんがやって来てお父さんに写真やら動画を見てせている。お父さんも喜んでいるようだ。
「朱音。焼き物やるから窓開けてくれる」
「はーい」
お母さんに言われて窓を開けるとビューっと心地の良い入り込んできた。
「ありがとう空音ちゃん。私はあの世界を……貴女の事を忘れない」
番外編【朱音】fin
無事にハッピーエンドです( ;∀;)
こっちの大地もやっぱり空音の事を………(ノ_<。)
来週はまた別のお話をアップします(*´∀`*)




