最終話 そして君は天使になった
ついにフィナーレです。長かった様な短かったような複雑な心境です。
その日俺は夢を見た。空音が裁判で証言台に立つ夢を………。
【回想】
「被告人 富良野空音は我がバルキリー隊の職務を妨害しただけではなく、魂の記憶を消すために使用したグールウイルスを必要以上に破壊し、堕天使を引き入れ天使隊3名を虐殺したとして起訴されています」
「被告人何か反論はあるかね」
「バルキリー隊の職務妨害は認めます。ですがグールウイルスについては関与しておりません。堕天使引き入れについても偶然です。天使隊3名については堕天使を排除するために犠牲になってしまいました。申し訳ありませんでした。この証言に嘘偽りはございません」
周りがざわめく。
カンカン
「静粛に……我々は被告の証言を認めます。ですがバルキリー隊の妨害は大変な罪。よって断魂の刑の執行を致します」
処刑台に上がる空音。振り上げられた刀により空音の体は真っ二つに斬られ二つの魂に分断される。
二つになった魂はそれぞれ新しい命へと送られるようだ。
送り先【天王寺空翔】
【目黒朱音】
【回想終了】
7年後、空音の命日。
~富良野家の墓にて~
(空音、実は報告があるんだ。あれから妻の真優美は家事や育児を積極的に手伝ってくれるようになった。それに会社の嫌な上司はその悪事がバレて地方へ左遷。今は俺が課長をやっている。それと息子の優大と娘の朱音も順調に育ってるよ。こっちは元気でやってる。色々ありがとうな空音)
「あれっ大地じゃん。お前達も今日、墓参りか?」
声の主は翔流であった。
「おう、子供も見せにきつつな翔流達も元気か?」
「ああ元気元気。息子の空翔もこの通りだ。ほら空翔、ご挨拶は?」
「こんにちは【天王寺 空翔】です。おじさんだあれ」
「おじさんはお父さんのお友達の【目黒 大地】です。ほら朱音もご挨拶は?」
「【目黒 朱音】です。空翔君あっちで遊ぼっか」
「あんまり遠くまで行っちゃダメだぞ。優大悪いけどちょっと見ててくれ」
「えぇ~なんか面倒なんだけど~」
渋々向かう優大。優大が追いつくと二人は誰かと話していた。
「あれお前達、誰と話してんだよ」
優大が空翔と朱音に聞く。
「ん?パパ達のお友達のお姉ちゃんだよ」
「そんな人どこにいるんだよ」
「ウチラが手を繋ぐと出てくるんだよ。ほらここに……」
空翔と朱音が口裏合わせた様に言う。
「何も見えないじゃん」
からかわれてると思われたのか少し怒り気味の優大。
「お姉ちゃんが言うにはなんか私達って運命の赤い糸で結ばれてるんだって」
優大が飽きれ顔で言う。
「それ本当かよ。でもパパに言ったらきっと怒るぞ」
そんな優大に朱音が反論する。
「そんな事無いわよ。空翔君ハンサムだしイケメンだし」
「優大・朱音そろそろ帰るぞ」
「はーい。じゃあね、白馬の王子様 チュッ」
帰りがけに空翔のホッペにキスをする朱音。
~それから20年後とある教会にて~
「お待たせしました。新郎新婦入場です」
まずは空翔が出てくる。
「空翔君格好良いわよ」
続いて朱音が登場する。
「綺麗よ。朱音ちゃん」
「素敵………」
「お父さんも頑張って」
空音……見ているか?俺と翔流達の子供は結婚する事になったぞ。
「良き時も悪い時も………」
朱音、随分と大人っぽくになっただろ。
「死が二人を別つまで………」
空翔君も格好いいよな。そりゃそうだ。翔流と瑠花の子供なんだから当たり前か。
「お二人の上に………」
空音に救われたから今日、この日を……娘の晴れ舞台の日を迎える事が出来た。
「実り豊かな生活を………」
本当に感謝してるよ空音。俺、戻ってきて良かった。今は幸せを噛み締めている。
「アーメン」
約束した通り空音の分まで俺はしっかり生きる事にするよ。精一杯、愛する家族達と一緒に……。
「次に指輪の交換を………」
あっ……そうだ。今日はね、空音のお母さんも式に呼んだんだ。
朱音や空翔君は孫みたいなもんだって快く参加してくれた。
「それでは誓いのキスを………」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
次の瞬間。俺の周りをビューっと風が一瞬だけ通った気がすると……聞き覚えのある声がする。
(ありがとう……大ちゃん)
「えっ??」
その瞬間、教会の扉が一瞬開いて風が出ていった。俺には天使になった空音が教会を出ていった様に感じた。
ありがとう空音。俺は君と共に過ごした日々を忘れない。
fin
最後は少し残酷なエピソードも取り入れました。魂を二つに分けられた空音は二人の魂として転生します。
運命の赤い糸とは空音の魂の繋がりだったのかもしれません。
最後は結婚式の日に天使として転生すると言う事フィナーレとしました。読んでくれてありがとうございます。




