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【D.S.(ダズ)】~過去と未来の交わる場所~  作者: 月代ユカイ
第五章 世界崩壊偏
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第80話 守護神

(だい)ちゃんには守護神(ガーディアン)の心当たりある?」


とは言っても違和感があるのは……あっそうだ。


翔流(のぼる)の10円ハゲあれが逆だったんだよな。あれも立派な違和感」


今日は休みだしこの時間なら翔流(のぼる)はたぶん。


瑠花(るか)の家に行くと門限前に瑠花(るか)を送り届けた翔流(のぼる)がいた。


「よう翔流(のぼる)。デートの帰りか?」


「お前達こそデート帰りじゃ……なるほどやっぱり来ちゃったのか」


何かを感ずいた様子の翔流(のぼる)


「コイツを触りに来たんだろホレ」


翔流(のぼる)のハゲに触ると空音(そらね)の体が再び光りだす。ハゲは本来の位置へと戻った。


「これからいくつか試練があるかも知れないけど、頑張れよ」


「ありがとよ翔流(のぼる)。お前はいつでも親友だ」


手を振りながら闇へと消えて行く翔流(のぼる)


俺が違和感を感じた人物で思い当たるのは後1人。だが行くのには少し躊躇した。だってそれは……空音(そらね)の大切な………。


意を決して空音(そらね)の家に行くとそこには空音(そらね)の妹、海音(かのん)がいた。


「お帰り空姉(そらねえ)……(そら)ね…………遂にこの時が来ちゃったのね」


海音(かのん)………嫌だよ私。貴女だけは消したくない」


「ダメだよ空姉(そらねえ)。それじゃ大地(だいち)お兄ちゃんが元の世界に帰れないじゃない」


海音(かのん)……うっうっうっ………」


「私ね。現実の世界じゃ流産しちゃって……ちゃんと生まれて来れなかったけど、お母さんや空姉(そらねえ)に素敵な名前を付けて貰えて本当に嬉かったんだ。だから私も空姉(そらねえ)と優しい大地(だいち)お兄ちゃんに恩返しがしたいんだ。はいっこれ」


体が更に光る空音(そらね)


「私、空姉(そらねえ)の事。こんな素敵なお姉ちゃんがいた事……絶対にわすれない。絶対にわすれないから……グスッグスッ」


泣き顔の海音(かのん)が消えて行く。


「ううぅぅ………海音(かのん)………海音(かのん)


涙が止まらず、その場で泣き崩れる空音(そらね)


「ごっごめんね……グスッ……だっ(だい)ちゃん……グスッ」


「ううぅぅ………ごめんグスッ……俺のせいで空音(そらね)の夢を壊す様な真似して………本当にごめん」


「グスッ……そんな事ない……そんな事ないから。グスッグスッ。さあ行こう海音(かのん)の気持ちを無駄にしない為にも……」


しかし、俺の感じた違和感はここまで。他に違和感は無いか空音(そらね)と二人夜通し探すが見つからない。


朝になり、日が上がるとある事を思い出した。いるはずが無いんだあの人は……俺と空音(そらね)は自宅の和室へと向かう。


「おぉこれはこれは大地(だいち)空音(そらね)ちゃんだったかな?こんな朝早くにどうした?ん?」


ウチラを不思議そうな目でみるじいちゃん。


「本来、じいちゃんこの時期はずっと入院してて家にはいないはずなんだ。つまり、じいちゃんが最後の……」


「はっはははは……御名答じゃ。いかにもワシが最後の守護神(ガーディアン)だ。空音(そらね)ちゃんこっちに来なさい」


手を当てると空音(そらね)の体が光りだす。


「これで全ての封印は解かれた、時期に記憶は戻るだろう。大地(だいち)を宜しくね空音(そらね)ちゃん」


「わかりました」


「さぁこの世界が終わるまでの間に約束の場所まで行くのだ。確か【空と大地(だいち)の交わる場所】じゃったかの」


消えて行くじいちゃん。本当に最後までありがとうな。


しかし、じいちゃんの言っていた空と大地の交わる場所っていったい………そう考えていると空音(そらね)が突然言い出す。


「山ハゲ鷹山の一本杉」


ハゲ鷹山の山頂まで登るが一本杉は仮面の男との戦いで折れていた。諦めて帰ろうとすると木の根本が光輝いている。手に触れると一枚の絵が出てきた。描かれていたのは……。


「これって【親子石】の絵画じゃないか」


親子石はこの町の外れの海岸にある父・母・子の石がならんだ観光スポット。この絵の中心に太陽があり、左右に海が割れて真ん中に道が出来ているような不思議な絵だった。裏側には【夕暮れの親子石】と【ミステイク】と書かれている。この父石の上にある祠に印がしてあるって事はここが約束の場所なのか?


「行ってみよう空音(そらね)


「うん」


海岸へと向かうが海に道が閉ざされており、親子岩へは近づけないでいた。


「何かの呪文とかカラクリがあるのかな?」


「うーんわからない」


付近を捜索するも全く手懸かりは見付からず絵のタイトルと同じ夕暮れまで待ったが何も変化が無かった。


時間は無いが足場も悪く暗くなってきたので明日に全てを賭ける事にした。


海は大時化で全然引かないし、この絵のタイトルと同じように夕暮れに行ったけど全く変化も無かった。もう一つのキーワード【ミステイク】ってつまり間違いって事だと思うけど、そもそもこの絵に間違いなんて……あれっ?この絵。この違和感ってもしかして……急いで空音(そらね)へと電話をする。


「あっもしもし空音(そらね)?あの絵の秘密がわかったよ。あの絵は………」


翌朝4時頃起きて空音(そらね)と共に再び親子石へと向かう。


「何か起こるのかな?」


「わからないけど、これがきっと最後のチャンスだ」


なんとか日の出前に海岸に着く事が出来た。相変わらずの大時化だがどうなる。もうじき日の出だ。少しずつ辺りが明るくなり太陽の頭が見えた時、突如海が割れて道が現れる。


「やっぱりだ。あの絵は【夕暮れ】じゃなく【日の出】を描いた絵だったんだ。今のうちに行こう空音(そらね)


印のあった左の父石の頂上の祠に向かう。少し具合の悪そうな空音(そらね)は倒れそうになった。


「そっ空音(そらね)。大丈夫か?」


(だい)ちゃん……あのね。私、全て思い出したの」


「記憶が戻ったのか?」


空音(そらね)がコクりと頷く。


(だい)ちゃん祠の中から箱を出して貰って良いかな?」


空音(そらね)の指示で祠を開けるとそこには玉手箱が


「開けてお爺さんになるって落ちはないよな?」


「大丈夫よ安心して」


玉手箱を開けると中には龍の描かれた金色の珠が1つ入っていた。


「これは龍玉と言って海神様の秘宝らしいんだ。一説によると浦島太郎もこれを使って元の世界に戻ったんだとかなんだとか……これを使えば(だい)ちゃんを元の世界へ戻す事が出来るんだって。魂と肉体を繋ぐのに暫く準備に時間がかかるみたいだからそれまで少し話をしようか」

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