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【D.S.(ダズ)】~過去と未来の交わる場所~  作者: 月代ユカイ
第四章 【激闘】上級グール偏
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第62話 【死闘】VSファントム

「私は能力は物真似(アビリティコピー)だ。今回は君のバリア系の能力をコピーし使用する。我々二人が盾となり、ファントムを向かえ打つ。それまでにより多くの情報を仕入れなくてはな」


そんな時にグールアラートが鳴る。


「私だ。海瀬(かいせ)君、何かあったのか?」


「大変です。ファントムが商店街に出現しましたしました。不意をついて【空間転送(ゲートオン)】を発動し、異空間へ閉じ込める事には成功しましたが閉じ込めて入られるのは残り3時間ぐらいです。早急にご決断を」


「よし全員集合だ」


全員集まった段階で作戦会議が始まる。


「まず、海瀬(かいせ)君。索敵はどうだった?」


「やはりダメです。消えている間には反応がありません。透視能力でも何も見えませんでした」


「次、聖司(せいじ)の方はどうだ?」


「こっちも進展無しです。(あい)が転送した空間には既にいくつかのトラップを仕掛けてますが、効果があるかは不明です」


「ではこれより現地へ乗り込む。敵のファントムはかなり厄介な能力を持っており、ヤツの矢は朱音(あかね)君のスピードを持ってしても避けきれる物ではない。よって今回は目黒(めぐろ)君と私が盾となり、向かえ打つ。朱音(あかね)君と聖司(せいじ)は可能な限り、色んな技を試して欲しい。出来ればタイムアウトまでに何か倒す手掛かりを見つけたい」


「私はどうしたら良いでしょうか?」


海瀬(かいせ)君はゲートの保持と我々の情報から敵の弱点を割り出してくれ」


「わかりました」


朱音(あかね)君は目黒(めぐろ)君と聖司(せいじ)は私と行動を共にしてくれでは行くぞ」


転送されるとそこは洋風の大きな部屋でそこには不気味に浮いているファントムと被害者と思われる石化した人。


「よし作戦開始だ」


それぞれ別れて敵へと近づくがファントムもバリアに気付いているのか中々矢を打ってこない。


「遠距離攻撃【己火雷(ミカヅチ)】」


剣先から赤い雷が飛んで行くが煙のように消えてしまうファントム。しばらくすると再び別の場所へ現れる。


「おいあっちに現れたぞ、お前もっと速く動けよ」


「そう言われても。朱音(あかね)程速く動けないよ」


「よし技を放つぞ。【紫電之……(グレープレ……)】お前が邪魔で技が放てないじゃないか」


「そんな事言われても」


「もう良い私、一人でやるからお前は退いてなよ」


俺の後ろから前に出る朱音(あかね)であったがファントムはこのタイミングを狙っていたかのように矢を放っていく。


「やっやばっ」


焦る朱音(あかね)であったが矢が当たる瞬間にバリアが張られる。良く見ると朱音(あかね)の体に俺のチェーンが巻き付いて繋がっていた。


「なんだよお前、こんな良い手があるなら最初から使えよな」


「俺だってわかってたら最初から使ってるよ。チェーンが付いていたのも能力が発動したのも全部偶然なんだ」


「よし、これで技が放てる【紫電之刃(グレープレイド)】……【白雷之制裁(ジャジメント)】……【漆黒之雷(ブラックサタン)】」


大技を次々に放っていくがすり抜けて行くだけでダメージがあるようには感じず、朱音(あかね)も悔しがっている。


「こっちも行くぞ。【超圧縮爆撃(グラビティーフレア)】」


ファントムは再び消えて別の場所へ出現する。


「これならどうだ【真紅之雷(レッドスコーピオン)】』


再び消えるファントム。朱音(あかね)は持てる技全てを出し尽くした様で落胆の色を隠せない。


朱音(あかね)君まだ落胆するのは早いよ。私の見ている限り、装甲破壊系の攻撃については攻撃が決まる前に消えて避けている事から弱点である可能性が高そうだ。ただ技を繰り出す前に消えられてしまってはどうする事も出来ない」


流石は隊長だ。避けながらでも良く観察してるな。あっあれっ?うわっ動き回っているとムニュっとしたものを踏んで転びそうになる。


「なんだこのムニュムニュしてる物は?」


「メグロっちそれはグール用のトリモチだよ。人間には引っ付かないから安心してよ」


「これって、これってもしかして………海瀬(かいせ)さん応答して下さい」


「はい海瀬(かいせ)です。目黒(めぐろ)さん何かありましたか?」


聖司(せいじ)がトリモチで捕まえたコバエを至急調べて下さい。もしかしたらファントムの正体に関係する重要な手掛かりになるかも知れません」


「わかりました確認しだい連絡します」


海瀬(かいせ)の通信が終わると隊長が声をかけてくる。


目黒(めぐろ)君、何かわかったのか?」


「確証はありませんが、なんとなく無敵のファントムの正体が掴めた気がします。朱音(あかね)手伝ってくれ」


朱音(あかね)に念波で作戦を伝える。


「本当にこんなのが効くのか?【紫電之刃(グレープレイド)】」


朱音(あかね)の技により、瞬断されるファントム。元に戻ろうとするタイミングで思いっきりトリモチを投げつけると腹部へ大きな穴が空くファントム。


「やっぱりだ。このファントムはゴーストでも無ければ幻術でも無い。コバエ型グールの集合体なんだ」


トリモチにはコバエの様なものがビッチリとついている。このタイミングで海瀬(かいせ)からも通信が入る。


「皆さんわかりました。トリモチについていたのは超小型のグールで信じがたい事ですが一匹ずつ非常に硬い装甲で覆われています。まさかこれがファントムの正体」


「あとは朱音(あかね)に任せるよ。まだ使ってない技あるでしょ?」


「言われなくてももうやってるよ【大静電(ブルーコネクト)


ファントムが青いオーラに覆われて行く。姿を眩ますが青いオーラだけは消えずに漂っている。


「消えてなくなれハエどもめ【降己火雷(フルミカヅチ)】」


空から赤い雷が雨の如く降り注ぎグール達を殲滅していく。舞い上がった粉塵をロケットが吸い込んで行き気がつくと装飾石が赤くなった。


アジトに戻ると海瀬(かいせ)さんがご馳走の準備を行っていた。


「皆さんお疲れ様です。腕によりをかけてますのでもう少々お待ちください」


「S級グール撃破おめでとう」


「乾杯ー」


その日の宴は夜まで続いた。

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