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【D.S.(ダズ)】~過去と未来の交わる場所~  作者: 月代ユカイ
第三章 グール討伐偏
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第52話 勘違い

朱音(あかね)の家に戻り隊長に討伐報告する。


「海岸のグール、無事討伐しました」


「二人とも良くやってくれた。今回のはグールは相性も悪かったみたいだし、骨が折れただろ?」


「まあ大変だったけどね。最後は私の必殺技でスパッと華麗に撃破してやりましたよ。まあコイツがチャージの間、グールの足止めと装甲を破壊してくれたから勝てたようなもんだけどね」


目黒(めぐろ)君もご苦労様。ところで装甲はどうやって破壊したんだい?」


一部始終を隊長へ話す。


「そうか目黒(めぐろ)君は鎖の能力にも覚醒したのか。頼もしいなこれからも宜しく頼むよ」


「はい、頑張ります」


家に帰ると連日の疲れが出てかそのまま寝てしまう。その日、俺は夢を見た。


【回想】


んっ?ここは………あそこにいるのは空音(そらね)


(おーい空音(そらね)さっきは悪かった。本当に急用だったんだごめん。あれっ空音(そらね)?)


あれっなんだろう目の前の空音(そらね)、ずいぶん大人っぽい印象だ。化粧でもしたのか?


(ごめんなさい。こんな事に巻き込んでしまって私……私………)


泣いている空音(そらね)の頭を優しく撫でる俺。


(大丈夫。きっと俺がなんとかするから空音(そらね)はそこで待ってて)


【回想終わり】


そして目が覚める。しかし変な夢だったな。会話も目茶苦茶で成り立ってないのに空音(そらね)だけは妙にリアルで夢の様に思えなかったんだよな。


シャワーして朝食を取ると学校へと向かうと、見覚えのある後ろ姿が……空音(そらね)だ。なんか声掛けづらいけど、謝んなきゃだよな。


「あっおはよう空音(そらね)。昨日は……」


声をかけたとたんに走って行ってしまう空音(そらね)。はぁ~やっぱ怒ってるよな。どうしたら良いんだよ。


教室に行くがそこには空音(そらね)の姿はなく、仕方無く屋上へと向かうとそこには魔王と空音(そらね)が話していた。


「あの先生……わ……って…かも………」


ん?よく聞こえないな。もうちょっと近づいて……ガチャン……魔王と空音(そらね)がこちらを見ている。


「ごっごめん。あのその…………」


俺の横を素通りして出ていってしまう空音(そらね)。やっちまったかな。


「なんかお前ら様子がおかしいが喧嘩でもしたのか?」


「いや、あのえっと………はい」


訳を話すと魔王が笑い始める。


「ハハハハ………お前らそんな事でギクシャクしてたのか。青春してるよな本当にーー」


まあ俺の中身はオッサンだけどな。


「俺、空音(そらね)に謝りたいんだけど、どうしたら良いですか?アドバイスしてください」


空音(そらね)はそんな事じゃ怒らないと思うぞ。まあ時間が解決してくれるさ。気にすんな」


いや気なるが……まあでも気にしすぎも良くないか。


「ありがとうございます。あんまり気にし過ぎずに接します」


教室に戻るが相変わらず目を合わそうとしない空音(そらね)。放課後、空音(そらね)が帰るのを見計らって先回りする。家の前の交差点で待ち伏せし、空音(そらね)に声をかける。


空音(そらね)、待ってくれよ。俺、昨日の事ちゃんと謝りたいんだ」


「きっ昨日の事って?」


俯いたまま顔を上げない空音(そらね)。そんなに怒ってるのか?


「昨日のスーパーカネオカでの件だよ。なんか突然悪かった」


顔を真っ赤にして慌てふためく空音(そらね)


「えっえっとその……だっ(だい)ちゃんの気持ちは凄く嬉しいんだぁ……でっでも………でもその自分の気持ちの整理がついてないと言うかなんて言うか………その…………(だい)ちゃんも急にいなくなっちゃったし…………」


モジモジと恥ずかしがって中々本題へと進めない空音(そらね)


「ごめん。俺、なんか変な事言ったっけ?」


「へっ??」


空音(そらね)に話を伺うと、どうやら別れ際にいつも真優美(まゆみ)に言い訳するときに使う「大切だし、愛してる」と言ってしまったらしく、空音(そらね)がそれを告白だと勘違いしたらしい。


「もう買い物に来てたおばさん達みんなに見られて本当に恥ずかしかったんだからね」


「ごめん。この埋め合わせは必ず」


「ふふふ。楽しみにしてるね」


「しかし、空音(そらね)があんな取り乱してるの初めて見たな。翔流(のぼる)の時だってあんなにキッパリ断ってたのに。もしかして俺、脈あったりする?」


「もうっ(だい)ちゃんなんて知らない」


駆け足で帰ってしまう空音(そらね)。その頬は少し赤みを帯びていた。空音(そらね)が怒っていなかった事に心底ホッとした。ご機嫌でシャワーから出ると妹の夏希(なつき)がまたもや絡んでくる。


「お兄たまー聞きましたよぉ」


「何をだよ」


「昨日、スーパーカネオカで空音(そらね)お姉ちゃんに告白されたんだとかなんとか……そのご様子だと結ばれたと見て間違いなさそうですね。イヒヒ……」


ニヤニヤしている夏希(なつき)


「なっななな?どっから仕入れた情報だよ」


「ふふふ確かな情報網だけど企業秘密。しかし、あんな人混みで告白とは翔流(のぼる)お兄ちゃんに負けず劣らず、なかなか大胆よね」 


「………」


「私も実は(だい)ちゃんの事が好きだったのぉ……嬉しいとか」


「…………夏希(なつき)ぃーー」


「きゃーー乱暴しちゃイヤンよ」


たくっ逃げ足の早いやつだ。しかしどこから出回った情報だ?他にも広まってなきゃいいが……そんな事を考えているとお袋が話しかけてくる。


「あら今日は早いわね?そう言えば昨日、カネオカさんで空音(そらね)ちゃんに告白したみたいだけど、人前は良くないわ。空音(そらね)ちゃんにも迷惑でしょ?」


おっお袋まで??


「なんでお袋まで知ってんだよ」


「そりゃ~近所のスーパーだもの。すぐにわかるわよ」


夕食を食べている間もニタニタとこっちを見る夏希(なつき)……かなりウザい。


部屋に戻るとベットに寝そべる。しばらくあのスーパーには行けないな。


しかし、最近いろいろあったけど、コイツのお陰でなんとか命拾いしてるよな。ロケットを見つめていると急に酷い眠気に襲われる。


「ふわぁ~あぁあ。あれっなんか眠く……………」


そのまま眠りにつき夢を見た。

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