第17話 目覚めたら過去だった
何かに優しく包み込まれているような感覚それにこの匂いは……柔らかい風と優しい光に照らされて目を覚ます。あれっ?ここは………実家の俺の部屋?
恐る恐る体を確認するが、足も普通に動かせるし軽い打撲と擦り傷程度であった。それより優大は無事だったのだろうか?
急いでキッチンに向かうと母が朝食の準備をしていた。
「おはようお袋。俺、事故に巻き込まれたと思うんだけど、優大が無事だったかとか聞いてるかな?」
「あら今日は珍しく早いわね。優大って誰だろう?お友達かしら?」
朝食を作りながら俺の話に耳を傾けるお袋。
「???なに言ってんだよ。優大だよ優大。俺の息子でお袋の孫の……ついにボケたのか?」
振り返ったお袋が険しい顔になり、心配そうにこう言う。
「まだボケるような歳じゃないわよ。あんたの方が寝ボケてんでしょうが、昨日の事故でどっか変なところを打ったんじゃないの?もしあれなら今日は学校休んで良いから病院に行きなさい」
「学校って俺はもう、立派な……」
言おうとした瞬間に妹の夏希の声がする。夏希は今、結婚して都内に住んでいるはずだが帰省していたのか?
「もうお母さん、今日は朝練だから早く起こしてって言っといたじゃん」
怒り気味の夏希が起きてくる。
「あっいけないごめんごめん。今、具たくさん味噌汁作ったからそれだけでも飲んで行ってね」
相変わらずチンチクリンの割に胸だけはデカいアンバランスな体型。アラサーの癖に昔みたいにツインテールになんかにしやがって……。
「もう、時間無いのに~。あれ?お兄ちゃんもう起きてたの?珍しいね。お兄ちゃんはもう部活引退してるし、時間に余裕あるから良いよね」
「ん?なんの話だ………」
それにしても夏希のやつずいぶん小さくて肌も若々しくみえるけど気のせいか?
「あの佳子さん。お茶を入れて貰っても良いかな?」
「あっはい。ただいま」
「ぶっー」
味噌汁を吹きこぼす俺。
「じっじいちゃん??」
仰天する俺。それもそのはず、じいちゃんは俺が高校の時に病気で亡くなったはずなのだ。一体何が起きているんだ?
訳がわからなくなり、取り合えずトイレへと逃げ込んだ。
「いったいここは……」
トイレに貼ってあったカレンダーを見てやっと理解する俺。
「1999年10月………」
これが事実なら俺は過去へ戻って来た事になる。計算すると高校3年の秋。真優美の本で見たタイムなんちゃらなのか?
つねったり叩いたりしても無情な痛みだけが残り、ここが現実である事を物語っていた。
優大や真優美の事を思うと胸が苦しくなった。学校の図書室に行けば何か手掛かりがあるかも知れないと思い、朝食を済ますと急いで学校へと向かう。
登校中、後ろから聞き覚えのある声がした。




