第1話 現実逃避
ここから始まる感動のストーリー(ノ_<。)
是非最後までご覧ください(* ̄∇ ̄)ノ
「アナタは過去に戻りたいって……思った事はありますか?」
誰でも一度は思った事はあるだろう。それが恋の未練・事業の失敗・大切な誰かとの死別……理由は人それぞれだ。だけど、どんなに後悔して悩んでも……苦しんでも……それでも俺達は生きている。
「もし過去に戻れるとしたら何をしたい?」
勿論やり直す事なんて出来るはずはない。でももしやり直す事が出来るのならば俺はきっと、あの日に……幼馴染みの空音に告白出来なかったあの日に……戻りたいんだと思う。
D.S.~過去と未来の交わる場所~
中学卒業の打ち上げの帰り道。日が沈み、点々としている外灯が薄暗く照らしだす駅裏の路地を俺は幼馴染みの【空音】と二人で歩いていた。
俺は空音の事が好きだった。これはきっと神様がくれた最後のチャンス。今日こそはきっと自分の気持ちを……。そう意気込んでいる俺。
別れ道に差し掛かると笑顔で別れようとする空音だが、その笑顔は少し寂しそうだった。俺は空音を呼び止め、告白の決心をする。
「あのさ、空音。迷惑かも知れないんだけど俺、その……空音の事がずっと前から……すっ……すっ……すっ……」
言葉に詰まる俺に空音が何故か変な事を言ってくる。
「あるぅ日~♪森の中~♪私は誰に出会ったでしょうか?」
突然の質問に戸惑う俺。それにこの質問は……?
「えっ?……なにその質問?ってか……これ過去と全然違っ……あれっ?」
何が起きたかわからずにテンパる俺。どこからか可愛らしい声が聞こえる。
「クマァー」
クマァー?まっ……まさかこの声は……。
「クマァおっきちましたか?」
この幼く可愛い声は……嫌だ……やめてくれ、まだ起きたくない。せっかく今、良いとこだったのに………もう少し………もう少しだけお願い……頼む。
「クマおっきしてくだちゃい」
「???ウグッ………(いっ息が出来ない)」
夢から一気に現実へと引き戻される。お腹の上には息子の優大が飛び乗っていた。
俺の名前は【目黒 大地】33歳。
イケメンでもブサメンでも無く典型的な普通の顔……所謂フツメンである。黒髪断髪でムキムキでも太ってる訳でも無いが体は割りと大きい。どこにでもいる平凡なサラリーマンであった。
「きゃははは……クマおっきした。ねぇ遊ぼうよぉクマァ」
息子の【優大】3歳。クリクリとした目にサラサラの髪が特徴の保育園児。可愛らしい容姿とは裏腹に活発な行動力とお腹に飛び乗ると言う凄まじい威力の必殺技を使う。妻の悪意でパパではなくクマと呼ばれている。
「おいクマ。お前いつまで寝てるんだよ。休みの日はお前が優大の面倒見ることになってんだろ。さっさと起きて朝食準備しろよぉ」
俺の事をクマと呼ぶコイツこそ悪夢の元凶。
妻の【真優美】35歳。姉さん女房で高飛車、黒髪サラサラのミディアムヘヤーで大きくて鋭い目が特徴。スタイルは良いが胸は小さめ。普段は家計を助ける為にパートに行っているがその分、家事は殆んど俺任せ。
「わかってるよ。今、作るよ」
「なんだよその態度。返事は「はい」だろ?わかったら返事」
寝坊したことにイラだっている真優美が俺に言う。はぁー、今日も長い一日が始まる。
「はい」
ったく……俺はお前の奴隷か?休みの日ぐらいゆっくりしたいのに最近は本当に扱いが酷い。そんな俺に真優美が俺に追い討ちをかける様に言う。
「そんなんだからいつまでも優大にパパって呼ばれないんだよ。自業自得だよね」
「それはお前が言わせてるだけでは?」心の中でそう呟やく俺がいた。
「今日、私は出掛けるから掃除・洗濯・食事全部抜かりなくやっとけよ。手を抜いたら殺すからな」
「はい」
そのまま出て行ってしまう真優美。はぁーーダルいな。
そんな事を考えていると優大が足を引っ張る。
「クマ、ポンポンすいた」
「あぁごめんな優大。今、準備するからな」
こんな生活してるからあの頃の……空音の夢ばかり見てしまうんだろうか。そうあの頃の……。
大地の家庭はかなり「かかあ天下」の様ですね!Σ( ̄□ ̄;)