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突然の出張で2週間投稿できなかったり、腰をやったり首をやったりしましたが私は生きています。
お手紙ありがとう。
君のお手紙を読んでいるととても元気になります。
いろんなことが終わったら君と旅に行きたいなと、そう思います。
いろんな国に一緒に行って、美味しいもの食べて、遊んで、たくさんお話をしたいなと思っています。
大丈夫!ある程度の強さはあるから道中、君を絶対に守ってあげられるよ!
僕のプレゼント気に入ってくれて良かった。
君からもらえるものはとても便利で重宝しています。
この前のもこちらでは大変貴重品で、羽織っていると非常に快適に過ごせています。
だから、いいものじゃないなんてことはないよ。
贈る人のことをよく考えてくれていることがすごくわかるから。
そんなプレゼントを貰えてる僕はとても幸せだなぁって思うから。
今日でティターニアを発ちます。最後にここで僕が一番きれいだと思ったサクラと言う花を贈りたいと思います。
もうちょっとしたら魔界の近くに行けると思うから。その時は会えるかもしれないね?
「これがサクラか……」
魔王の手の中に淡い桃色をした一房の桜が綺麗に咲いている。
見ているだけでなんとなく笑顔になれるようなそんな気がした。
出来れば魔王城の奥で育てられないか……
そんなことを考えていると魔女がいつものようにやってくる。
「魔王様、今日は……手紙が来たのね。」
「うん。これ、城の奥に植えられないかな?」
魔王の手の中にある桜の花を見て眉を顰める。
「これ、魔界じゃ普通は育たないわよ。育っても色は瘴気で黒くなるでしょうね」
「そうか……」
桜を見て悄気る魔王。
「……どうしても育てたいなら常に周囲を浄化し続ければいけるんじゃない?ここも瘴気さえなければ普通の土地と変わらないでしょうし」
「なるほど……ありがとう!早速やってみる!」
魔王城中庭の一角、
「もう少し大きくなってもらって……」
植物の成長を促す魔法で、枝から新たな根が生えてくる。
「土を浄化して……」
あたり一帯の土に浄化の魔法をかける。
すると、どす黒い土が正常な色へと変化していく。
「後、浄化が保たれるように結界を張って……これで良し!」
魔王が軽く手をふるうとその区画だけ清浄な空気を保った空間が生まれる。
それを見た魔女は、ジト目で魔王を見ながら
「それなら育ちそうですね。……それにしてもこの規模の上級魔法を簡単にやられると私、自信なくすんですが?」
そう魔王を褒めた。
「一応、魔王だからな。……大きく育てよー!」
手のひらから水を生み出し、植えられた桜の枝に注いでいく。
濡れた桜の花びらがきらきらと光っている。
それを見た魔王は、微笑みながら
「さて、これでいいだろう。では、戻ろうか」
そう言って、自室へと戻っていた。
「戻るのはいいですがお仕事はちゃんとしてから返事を書いてくださいね?」
「わ、わかっている!」