プリンセスの後見人が魔王ってどうなのそれ
短編です
好評なら連載するかも
俺は魔王ルシファーであり転生した前田葵でもある
前世ではさえない人生なうえ人が聞いたら同情されるレベルの虐待を受けていた
その後遺症で体を患って呆気なく死んだ
そしたら神様がこっちの世界でゆっくりしていけって
転生させてくれたんだが最初は戸惑ったのだが
この世界の魔族ってとっても優しいんだ
そりゃまあ馬鹿やれば叱られるが基本的に温かい人が多くて
当然他の種族とも仲がいい
そして驚いたのが魔王が選挙で決まる
まず個人の能力が公表されそして候補者の演説
大体任期が十年で交代する望まれると延長される
そして今日俺は第二十四代魔王ルシファーになったわけだ
「さてそれじゃアザゼルさん俺はあいさつ回りに言ってくるので後お願いします」
代々魔王の秘書官を務めるアザゼルさんに挨拶する
「ルシファー様呼び捨てでかまわないとあれほど言ったではありませんか」
ため息を吐くアザゼルさんに
「無理無理子供のころから面倒を見てもらった人にそれはできませんよなので諦めて下さい」
そう言って俺は空に舞い上がる
「まったく今度の魔王様ときたらお力は歴代のルシファー様の中でも最強しかも英知に優れ
それに驕らない人間性どれをとっても王としてふさわしいのだが部下と垣根を作らぬところは
直して欲しいのだが」
そう言うアザゼルにブエルが声をかける
「何たそがれてるんだアザゼル今代様が歴訪に行かれたというのに」
にこやかに笑うブエルにアザゼルは
「いや今代様の部下に対する態度に頭を抱えていたんだ」
そう言って頭をかくと
「いいじゃねえかあれで今代様はさ何せほかの候補者が最後に今代様のお力が公表
されたら即座に負けを認める程のお力にあのお人柄変に歪めたら俺たちが
ほかの連中に恨まれるぞ実際あのお人柄に教会の総本山まで長年にわたる敵対姿勢を解除するどころか
就任の祝いにここまで教皇自らおいで下されたまったくたいしたお方だぜ」
そう言って満面の笑みを浮かべるブエル
さてところは変わってここは精霊に愛されし豊穣の国
急逝した王に代わり次期女王であるプリンセスマリアが慌ただしく
指揮を執っている
その王都を守る門の前にルシファーが降り立つ
「これはルシファー様ようこそ王都へいらっしゃいました」
そう言って頭を下げる騎士団長
「こんにちは騎士団長プリンセスは忙しいかい?」
尋ねる俺に騎士団長はほほを緩めると
「お忙しいことはお忙しいのですが少々休みを取っていただきたいところです
部下としてはなので歓迎いたします」
賓局の相手させる口実で休ませたいらしいまったくできた主従だね
彼の意向を汲んでプリンセスを休ませる
プリンセスが子供の頃のようにたわいない話をしているうちにいつしか
眠りに落ちるプリンセス
「よっぽど疲れていたんだね安心してお休み可愛いマリア君の父君に頼まれてもいるし
出てきたらどうだい居るんだろケイト」
俺の声に諦めて姿を現すエルフのケイトむくれてはいたが兄貴分の俺には彼女の感情は
手に取るように解る
「ルシファーにい今たぶん姫様は守護精霊様から夢の中で宣告を受けている内容はこの国と
精霊様が結んだ約定の遵守初代様はこの国を平穏に保ち他者を虐げず自らも虐げられない国を
作ると約定して戦乱が続いていた時代にこの国を建国したそしてそれは今まで守られてきた
だけど今回国王の急逝を好機と隣国が兵を集めているこの国にも兵は居るでも
数が圧倒的に違うこのまま開戦すればおそらくこの国は数日で陥落する
約定を守る為には誰かの支援が必要なんだけど隣国の脅しに皆及び腰なんだ」
そう言って泣き崩れるケイト
戦乱に明け暮れていたこの大陸を平穏に導いたこの国には俺達魔族もお世話になった
この国の危機に支援するのはやぶさかではないがうち一国では後に遺恨が残りかねない
「なら俺が周りを巻き込んでやるよ隣国も馬鹿だなプリンセスの後見人は俺なのに喧嘩を売るんだから」
そう言って笑みを浮かべるとケイトが
「おにいが悪い顔をしてる頼む人間違えたかも」
そう考えながら冷や汗をかき始める
そして目を覚ますマリアとその脇に現れる精霊
「精霊様どなたに協力を求めてもよいのですね?」
マリアの問いに
「プリンセスマリア構わないこの状況を何とかできるというなら選ぶといいここに居る誰でも・・
なぜここに居るのだルシファー?」
精霊の問いに俺はにこやかに答える
「挨拶回りで周辺国を訪ねようと思ってそれで最初にここに来たんだ」
俺は精霊の態度に約定を破棄するつもりで条件を出したのだと踏んだ
「なあ、豊穣の精霊まさかとは思うが妹か娘のように可愛いマリアに無理難題を言ったわけじゃあ
あるまいな?」
俺の魔眼が力を放つと途端に慌て出す精霊
「待ってくれ我もお主と事を構えたい訳ではないおぬしの目をとうして我らの王が見ておられる
のだ嘘ではない本当だしかし約定に従って破棄を考えねばならぬのも事実姫には協力者を募って
もらわねばならぬしかしだれも手を上げないのでは約定は破棄せざるをえぬのだ」
そう言って俺に同意を求める
「なら俺が最初に手をあげようそしてついでだ周りすべてを巻き込んでやるさ」
俺がそう言うとプリンセスは緊張の糸が切れたように泣き出す
「にいにい」
幼い頃のように俺を呼びながら泣き続けたマリアはしばらくしてから落ち着いたのか少し恥ずかしそうに顔
を上げる
「ごめんなさいお兄ちゃんは今は魔族の王様でお姉ちゃんは私の護衛なのに
だらしない姿を見せちゃったしっかりしなくちゃね私はみんなの誇りなんだから」
そう言って笑みを戻したマリア
父を失って間もないマリアの気丈な振る舞いに俺は奮い立つ
「マリア俺が必ず支援を呼んでやるだからあせるな誘いに乗るな何大船に乗った気で待っていろ
隣国の王がいくら脅したところで千年の仇敵には劣るさ」
そう言って笑うと
「お兄ちゃん口だけでもそんな事言わないで一番みんなが笑いあう世界を喜んでいたお兄ちゃんが」
マリアが怒った様に立ち上がる
これは失敗したなマリアはこういうのは禁句だったっけ
笑ってごまかして俺は
この国を飛び立つ
向かうは欲ボケの隣国ではなく
「こんにちは教皇様に会いたいのだが構わないかな?」
俺の質問に姿勢を正してうなずき扉を開く神殿騎士
「俺逃げ出すところだった」
「俺たちの相手があの方でなくて良かった敵対したら蒸発させられかねん」
俺を見送った騎士たちが胸をなでおろしている
案内の神官について執務室へ入る
「魔王殿ようこそ」
「すみません事前の連絡をはぶいてしまって」
頭を下げる俺に教皇は笑みを浮かべ手を振る
「それで今日は急にお出で何かありましたか?」
そして俺の説明に部屋の気温が下がっていく
「あのバカが構いません派手にやってくださいあいつに選ばせてやりましょう
降伏か、死か」
悪い顔の教皇は笑みを浮かべる
某日豊穣の国の隣国
「我が国の精兵達よいよいよ戦いのときは来た」
居並ぶ兵士たちに檄を飛ばす王
そこへ
「伝令」
邪魔されて嫌な顔をする王だが
「我が国の国境に付近の国すべてが集結してます」
その報告に青くなる隣国の王
そして止めを刺すべく俺降臨
「おいお前、可愛い俺の娘に何してるんだ」
最強の魔王の登場に血の気が引きすぎて白くなり始める王
そんな中で届けられる教皇の破門状
そして届けられる取り囲む国々連名の降伏勧告状
隣国の王は崩れ落ち許しを求めるしかなかった
その後
幽閉されていた豊穣の国を攻めることに
最後まで反対していた末の王子を王に据えて
なにも要求せずに連合軍は解散
世界は再び平穏が訪れ
時々喧嘩はあれどみな笑っている
神様俺にこんな人生をありがとうございます
いかがでしたか?
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