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僕と彼女の赤くない糸  作者: アクエリアス
第1章 謎の転校生
8/10

番外編1 真田 紗奈

 

 まずい…そうあたし真田(さなだ) 紗奈(さな)は自宅の部屋で呟いた。

 何がまずいのか、その理由を少しだけ話をしよう。


 まずあたしは、現在17歳の高校1年生。

 この時点で違和感を持つ人もいるだろう。

 もう1つ付け加えるならあたしは、2度目の高校1年生を繰り返している。

 別に世界をループしているだとか、そういう話ではない。

 ただ単純に、留年生なだけだ。

 あたしは、留年を経てもう一度高校1年生をやり直している。


「あー泣きそう」


 留年した理由は色々あるのだが、ひとまずそれは置いておこう。

 なぜあたしが泣きそうなのかを話してみよう。


「友達か欲しいよう…」


 そう、留年してからクラスに友達がいないのだ。

 5月半ばとなった現在、あたしには話す友達すらいない。


 最初はなんとなーく、みんなとは仲良くやっていた。

 だけど、初日に留年生だと言うとみんな少し距離を取って行ってしまう。

 そんなことを続けた結果、あたしはぼっちとなってしった。

 現在では先生達しか話す人がいない。


 えっ?

 休み時間は何してるかって?

 そりゃ、寝たふりですよ。

 それ以外に時間を潰すことができないよ。

 もう一度みんなに話しかけたいのだが、拒否されるのが怖いのだ。

 やんわりと距離を取られるのは怖い。

 少しトラウマになるくらいには恐怖感を覚えてしまう。


 そんな中、先日転校生がやってきた。

 その子は、とても可愛らしい女の子だった。

 赤茶色がかった髪の毛に、肩くらいのロングヘアー。

 ハーフのような顔立ち。

 とにかく、かわいい女の子だった。


 と、同時に残念な子だと思った。

 最初は中二みたいな発言でみんな引いていた。

 だけど、昼休みには何人かと話をしていた。

 正直、羨ましかったりしたけどあたしには話しかける勇気が出なかった。


 昔はこんなじゃなかったのになあ…。

 そう思いつつ、寝床につく準備をする。


「そういや、もうそろそろ席替えかなあ」


 そうだ、と思いついた。

 席替えで前の席の子に話しかけよう。

 もう一度だけ、勇気を出すのだ。


「頑張ろう、勇気を出そう」

「あたしはできる子だよね…?」


 疑問を胸の底に抱きながらも、あたしは眠りについた。




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