プロローグ
青春物語を書こうと思いました!
かなり突然だが俺は光 夏彦、15歳。
人生を後悔しながら生きている高校1年生のナイスガイだ。
ほんの1ヶ月前はスポーツに勉強に励み、志望校を悩みながらもなんとか高校に受かった俺は、入った高校にこんなものかとショックを受けたりもしたが、まあ慣れたので今日も日常生活を謳歌している。
「今日はいいことが起こりそうだぜ」
今日もきっちり15分前に自分の席に着いた俺は、目の前の席の友人に話しかけられた。
「おっす、ヒカ」
話しかけてきたのは小学生からの友人の両角 修也 (もろずみ しゅうや)。
昔は坊主頭だったが、中学の野球部を引退してから髪を伸ばしたからかかなり髪の毛が伸びている。
ちなみに、ヒカとは俺のあだ名のことだ。
「おお、モロおっす」
「もうちょっと早くきてもいいんじゃないか?
15分前だと電車とかが遅れたりしてると遅刻するよ?」
「前もって分かってたら15分前に着くように出るよ。
それ以外は諦める」
モロといつも通り話していると、教室の扉が開き―
「ギリギリ5分前、セーフ!!」
中学からの友人の月見里 灯が教室に入ってきた。
月見里は、俺の席の横なので隣に座り、いつも通り―
「やあやあ諸君、おっはよーう!」
「月見里はいつもギリギリだね」
「モロ、話してるとツッキーの馬鹿さが移るぞ?」
「あー!
ヒカ、あたしをバカにしてるわね!?」
と、いつも通りの話をしていると―
「おーい、ホームルームを始めるぞー」
先生が入ってきて、ホームルームが始まり1日が幕を開ける―
―
昼休みになって、昼飯を食べているとモロが突然―
「なあヒカ、俺らももう高校生だぜ?」
「見れば分かるよ…。
馬鹿かお前?」
「そうじゃねえよ!
高校生と言えば、彼女が欲しくねえか?」
またモロが馬鹿な発言を言い出してきた。
モロは時々こう言った冗談を言う。
「相手がいればつきあえばいいだろ?」
「やっぱ美少女がいいよな〜!」
彼女なんて相手がいなければできないだろ、
こいつやっぱ馬鹿なんじゃないか?と思ってしまう。
「ヒカは欲しくねえの彼女?
月見里なんてどうだよ」
「残念だがツッキーとはあんまり仲良くないんでな」
「でも月見里かなり可愛いじゃん、もったいねえ」
はて…可愛い?
こいつはかなりの物好きだな。
「ツッキーのこと好きならコクれば?」
俺がそう言うとモロはー
「あー、俺はそう言うんじゃないから」
何言ってんだこいつ?
ー
ふう…昼飯食ったら眠くなってきたな…。
ちょっと寝るか…なんて俺が思っていると…
パサッと音を立てて紙ヒコーキが隣の席から飛んできた。
気になって隣を見ると、月見里がこっちを見てはにかんで笑っている。
紙には、(ねえヒカ、昨日のテレビ見た?)と書かれていた。
なので俺ははっきり(秘密のチョウミンショー見てたぞ)と書いて送ってやった。
しばらくそんな感じのことを続けていると…
(ねえヒカは昨日の夜中やってた番組の「赤い糸」見た?)
なんて月見里が書いてきた。
赤い糸…たしか、最近始まったドラマだったか?
はっきり見てないと書こうと思ったが、ふと気になったのでどんな物語なんだ?
と、月見里に聞いてみることにした。
(どんな話なんだ?)
(え、えっとね…運命の赤い糸が突然見えるようになった主人公がね、突然転校してきた女の子と赤い糸で繋がってるんだけどね、
だけど主人公は幼馴染の女の子が好きなのに葛藤?
しながら赤い糸のことを考えて行くって話。)
ふうん…赤い糸が見えるのか…。
(見えるってのも難儀な話だな…)
(でしょ?
…でも、やっぱり憧れちゃうな運命の「赤い糸」って…)
月見里はけっこう子供っぽい所が多いやつだなと思いながら、放課後まで授業を過ごした。
ー
放課後になるとモロが俺に向かって、
「ヒカ、カラオケ行って帰んべーよ」
「悪い、今日はコバ先に呼ばれてんだ。
先に帰ってくれ」
教師に呼ばれていたことを告げ、先に帰るように促す。
「それならしょーがないな、それじゃまた明日な」
「ああ悪い、また明日な」
モロと別れて、職員室へ向かう。
そういや、俺なんかコバ先に呼ばれるようなことしたかな?
なんて思いながらも職員室へ向かおうとした時ー
ふわり、と「糸」が見えたー
光の加減か、それとも眼の錯覚か…
それは真っ黒に染まっていた…。
最後まで見てくれてありがとうございます!
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