第5話 未知《ニューワールド》
「異世界で新たな人生を…か。」
天理はロキの言葉を聞いて、生前に見ていた漫画やアニメの転生する話を頭に浮かべていた。
何らかの理由で死した主人公が、神や悪魔、魔女などによって別世界へと送られる。
そこで主人公は新たな力に目覚めたり、神からもらった特殊な能力などで仲間とともに冒険をするという、いわゆる異世界転生と呼ばれているものだ。
しかし、天理はこの異世界転生がそんなに悪いものだと感じたことはない。
なんだかんだで主人公は楽しそうだし、何よりアニメや漫画好きにとって、異世界へ一度は行ってみたいものなのだ。
だがロキの表情をみるに、今回のそれは天理が思うような異世界転生と違うのだろうと感じていた。
「異世界転生…。たしかに君の元いた世界では凄く魅力的なものに思ってしまうのだろう。
だけどね、現実はそんなに甘いものじゃないんだよ。」
ロキは天理の方へ歩み寄ると、天理の頭上へ手をかざした。
「まあ、話しはこれまでだ。そろそろこの世界の維持が出来なくなってくる頃だ。僕の力も無尽蔵に使えるものではないからね。」
周りを見渡すと、徐々にではあるが、天理の視界に映っている空間が裂けて崩れ始めていた。
「済まないね、満足な説明もしないまま送ることになってしまって。だけど大丈夫だ。君には向こうの知識を色々与えておくよ。それくらいは僕の義務だからね。無事戻ってこれたら、今度はゆっくり話そう。」
「ちょっと待ってくれロキ!戻ってこれたらってどういうーー」
ロキの「戻ってこれたら」という言葉に引っかかり、答えを求めるが遅かった。
「ーーまたね、また会えることを祈っているよ。僕の………。」
「待ってくれロキ!君はいったいーー」
天理の叫びも虚しく、気づいた時には目の前には草原が広がっていた。
そこは正真正銘、天理が目にしたことのない異世界だったーー。
「異世界転生…したのか?」
ロキが異世界転生を口にしてから、ほとんど説明もなく直ぐに転生させられたこの状況をなんとか受け入れながらも、転生までの会話の流れが不自然だったため、違和感を覚えていた。
「…あいつの最後の言葉って、なんだったんだ?」
(ーー僕の………。)
「一体、俺があいつのなんだって言うんだよ…」
天理は、ロキのいい加減な転生に頭を悩ませていたが、とにかく前へ進むことにした。
「いつまでも愚痴ばかり言ってられねーしな!」
草花をかき分け歩み始める。
これから始まる新たな冒険に期待をしながら。
元神童の新たな人生が今始まろうとしていた…!
こんにちは、zonoと言います!
やっと…。
やっと転生いたしました!!
いやぁ〜、やっぱりストーリーの進度が遅すぎましたね( ̄▽ ̄;)
今回も本当は転生しないで、いざ転生っ!
ってところで終わろうとしてたので、
「ちょっとまて、これじゃ流石にいかんいかん…。」
ってことで、天理くんには転生してもらいました(笑)
次回から、天理の異世界での新しい冒険が始りますよー!
乞うご期待‼︎