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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
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67話

 夕食の席で、クディが口を開く。

 「あのねぇ? 軍が壊滅したって話が広まってるのは皆分ったってことで良いわねぇ?」


 一同が頷く。


 「あれだけ上から押し付けてきたのだからぁ、私も意地悪? 意趣返し? 

 まぁどっちでもいいわぁ。

 とにかく、尻の毛まで引っこ抜いて、最後にお尻を蹴っ飛ばして追っかえすの!

 それでもって、王国からも搾り取っちゃう分け・・・・いいでしょ?!


 「あの、クーリンディアドさん? よく分らないでもう少し詳しくできない?」

 「クディよ! もう、ジードちゃんは、何度言ったら解ってくれるのかしら。

 けど、そんな依怙地いこじなジードちゃんも好きよ♡」


 ピキッ 凍りつくジード。


 「要はこれよ」

 クディは皆の前にダンディなスーツの内ポケットから丸めた皮用紙を取り出し見せる。


 「ほう王国軍は、こんなものによく印を付いたな。」

 元村長が感心する中、何々と(セルジオを気遣い?)レシアが声を出して読み始める。


 「えっと、ダンジョンに関する管理と王国軍救援に関する覚書書簡・・・・長ったらしい名前だな?」

 「るっさい! 牛乳女さっさと読みなさぁい!」

 「う、牛乳?! くぅ、これは貸一だな。


 箇条書きになってるな、えっと―――――

 1)先の王国軍の要請によるダンジョンの管理運営を、ゴートフィッシュ家が一括管理する。


 2)駐留経費について、ダンジョン探査に必要とする相応の経費をゴードフィッシュ家が負担するとされたが、これを廃止し、管理代行に伴う全ての経費負担を王国に求めるものとする。


 3)ダンジョンへの捜索について、非常に危険を伴う過酷な労務につき、遺体探査及び回収一回に金貨1000枚を王国へ請求する。


 4)ゴードフィシュ家敷地内の駐留軍への医療行為。

   また、ダンジョン探査に関わらない王国軍の滞在費について、

 それらに関する費用負担は全てゴールドフィッシュ家が立替の上、王国に請求する。


 5)尚、請求に対しての支払期日は2か月後の末日とし、延滞した場合には年2割複利で延滞金を課せるものとする。


 署名:ゴールドフィッシュ家 外交顧問 クーリンディアド・フォン・ヒューラー

 署名:王国軍 第三部隊 隊長 グレゴリアル・バルド

    おうこくぐん じょうきゅうさもんかん ふぉおくしぃ・・・・・・

 これを3枚作成し各担当がそれぞれを・・・・


 うむ、最後の署名はミミズが這ったような字で読めん!

 しかし、覚書きにしては、どこぞの契約書のような様式だな、クディ」


 「えぇ、一応? 現場担当者のサインと公印まで押してあるから、日付も入ってるし公式なものよぉ、ひっくり返すの大変よぉきっと、ほほほほほ!」とても愉快らしく満面の笑顔で笑うクディ。


 「それにしても、お主は灰汁どいのぉ、王国が返済を渋るだけで債務が勝手に膨らむ内容だぞ。

 しかも年2割で雪だるま・・・・うむ、だいたい4年寝かせれば借金が倍になる計算じゃな」

 「さすが、レイお爺ちゃん計算早いわねぇ♪

 居座っても経費、去ろうにも遺体の回収がまだ、王国からは追加の増援が来る可能性もあるわねぇ。

 さて、都のお偉いさん達の出方が、み・も・の? ほほほほほ・・・・ あら、しまったわ」


 「どうしたのじゃ?」元村長が視線を鋭くする。


 「通行料取りそびれたわぁ、いい子なら私と居るだけで無税、あとは課税!あぁ失敗しちゃったぁ」

 本気でしくじったと思っているらしく、おかまの目に涙が浮かんでいた。


 


 

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