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いつもダンジョンに居ます  作者: ねむねむぴよ
第二部 王国の食指
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59話


 会食は続き、兵の駐留経費、駐留場所、慰安所の設置に続き、兵の犯した罪の処断の方法と移り変わる。

 いつしか日は傾き始め、長い会談が終わった。


 「ジードちゃぁん 私ぃまたがんばったわよぉん♪」

 その夜、屋敷内をジードが全力で逃げ、それを追う変態紳士の姿を皆が見たという。


 翌朝、王国軍が石室の様な大石に手を掛けた。

 しかし、それがビクともしない。


 石工用のハンマーを使っても傷はつかず、てこは折れ、王国軍の魔法師や神官らしき人員が20名がかりで詠唱を唱える中、カタパルトの様な荷揚機を使い漸く入り口が僅かにひらいた。


 そして、その日から多くの兵士が体調不良を訴え始める。


 嘔吐、下痢、錯乱し暴れる者・・・・感の良い兵士に至っては、隊長に嘆願し戦線離脱を進言する者まで現れる。

 そして、一部の兵士が墓を荒らし、初日に30名を超える兵士が発狂し、翌日には嘆きの湖に身を投げた。


 初日に士気が音を立てて崩れる軍。

 だが、それだけでは終わらない。


 翌日の朝、逃亡した兵士が200名を超えた事が分ると、グレゴリアルが止めるのも聞かず、狐目の男が手配したと思われる50名以上の冒険者風の集団がダンジョンに繰り出し、誰も戻ってこないのだ。


 そして、更に次の日狐目の配下の有志が200名ダンジョンに繰り出し、夕方に成って一人の兵士が指輪を一つ握り締め戻って来る。

 「よくやった! で、下の様子はどうだ?」


 「へ、へへへ・・・ハハハ・・・ハハハハハッハハハハハ!!!」

 狐目の男が詰問するように問いかけた途端、発狂したように笑いだし立ったまま命が尽きる。


 指輪から黒い靄の様な物が霊感の無い物にも感じられるほど滲み出している。


 「こ、これは・・・・鑑定できるものを呼べ!」

 狐目の男が怒鳴り声をあげ、魔法師風の人物がおずおずと現れるが、指輪を見るなり「ひぃ!」と悲鳴を上げる。

 「い、急いで浄化を!! いそいでください!!!」

 その指輪を10名がかりで浄化を行うが、日が沈んでも一向に禍々しさが消えない。


 そして、夜が訪れた。



 


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